「SDGs肥料」の実用化へ 北九州市と共同で技術開発に着手 日鉄エンジニアリング2023年4月11日
日鉄エンジニアリングは、北九州市上下水道局と共同で応募した「スラグによるリン回収技術開発」が、国土交通省の令和5年度「脱炭素に資する下水汚泥資源の利活用技術の実証・応用研究」に採択され、北九州市と共同で技術開発に着手する。
肥料の国際価格高騰などを背景に国は、下水汚泥資源の肥料化技術等の開発を促進し、下水汚泥肥料の利用拡大に取り組んでいく方針で、2030年までに下水汚泥の肥料使用量を倍増させる計画をしている。
このほど採択された技術開発は、製鉄・製鋼プロセスや一般廃棄物処理の産業副産物であるスラグを利用して下水汚泥(脱水分離液)から効率的に「リン」を回収する技術の実証研究に全国で初めて取り組む。
同技術開発は、スラグにもともと含まれるリンなど各種の肥料有効成分(Fe、Si、Ca、Mn、Mg等)に加え、下水汚泥(脱水分離液)に含まれるリンを回収して、リンを高濃度で含有する高付加価値のスラグ肥料として活用することを目指している。また、従来技術と比較して、設備の簡素化とコストの低減も期待される。
同社は、製鉄プロセスや一般廃棄物処理で長年培ってきた製鉄・溶融スラグに関する技術と知見を活かし、北九州市と共に「北九州発のSDGs肥料」の実用化に挑戦する。
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