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もみ殻を燃料・肥料に活用でCO2削減 広島の企業がアフリカで2023年5月24日

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精米のときに大量に発生するもみ殻を効率的に粉砕・固形化、あるいは炭化させて燃料や土壌改良材にするエコシステムを広島県の企業が考案した。特に燃料として森林資源の破壊が進むアフリカや米地帯の東南アジアなどで、エネルギー資源として、またバイオ炭として農作物肥料の代替として関心を集めている。

もみ殻固形燃料製造機と上杉社長(左)もみ殻固形燃料製造機と上杉社長(左)

この企業はかつて造船業で知られる尾道市にある(株)トロムソ。船舶用の熱交換器をつくっていたが、この技術を生かし、造船会社が撤退した後、もみ殻固形燃料(モミガライト)製造機を製造・販売してきた。モミガライトはもみ殻をすりつぶし、10分の1の体積に圧縮し、直径5・4cm、長さ35cmほどの円筒状にする。着火し易い螺旋(らせん)状、カール状もある。モミガライトの製造機(グラインドミル)は、1時間に約120kg製造する能力を持つ。

モミガライトは100%もみ殻由来の燃料で、発熱量は木材の薪と同等の1kgあたり3970kgカロリーあり、アウトドアやビニールハウスの暖房、果樹の霜害対策などのほか火力発電消のコークス・石炭の代替としての需要がある。

上杉正章社長は「モミガライトは石油やガスのような硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)を含まず、(植物を作る時固定されるCO2と相殺されるため)CO2の排出も実質的にはなく、気候変動による環境問題の解決につながる」と、もみ殻の燃料利用の意義を強調する。

バイオ炭で農業生産

このモミガライトを炭化させるとバイオ炭になる。同社が開発した炭焼き窯を使うと、4時間ほどでバイオ炭ができ、1日2度炭化作業ができる。同社は、このモミガライトとバイオ炭を海外、特にアフリカで普及させる考えだ。タンザニアやマダガスカルなどのアフリカでは人口の増加とともに燃料用の木材伐採が増え、砂漠化が進んでいる。一方で食料確のために米の生産が拡大し、もみ殻の処理が課題になっている。JICA(国際協力機構)の事業などを活用し、グラインドミルともみ殻利用のエコシステムの普及に努めている。

一方、バイオ炭による土壌改良材としての活用にも期待する。昨年ベトナムで、現地の農業法人でメロンやカリ炭フラワーで栽培試験を行ったところ、「収量が増えた」(上杉社長)という。また、大手化学企業と組んでバイオ炭と種子を分解性ポリ乳酸(PLA)のチューブに詰めて植物を育てる砂漠緑化や、やせた土地でも栽培できる技術の確立を目指している。

もみ殻の発生量はもみ米の約20%を占め、国内では160万tあまり発生し、主に畜舎の敷きわらや、暗きょ排水資材などに使われているが、有効に利用されているのは3分の1の50万tにも満たない。世界では1億5000万t近いもみ殻が発生していると想定される。今後、コーヒー豆やピスタチオの殻などの利用も考えている。

クレジット化で普及へ

同社の技術は2020年にイギリスで開かれたCOP26(国連機構変動枠組み条約第26回締約国会議)で環境省の「ジャパン・パビリオン」で紹介され、関心を集めた。同社は将来、バイオ炭によるCO2吸収量をクレジット化し、その余剰金を肥料代の一部に充て、また農家からの農産物を購入価格引き上げ財源にするため生協に協力を呼び掛けることなども考えている。

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