可変施肥田植機など 2023年下期新商品発表会 井関農機2023年6月13日
井関農機株式会社は6月9日、2023年下期の新商品を国内向けと海外向けの計6品目21型式を発表。製品を通じて農業の生産性向上、安全・快適性と環境負荷低減に貢献していくとした。
2023年下期新商品発表会のコンセプトは「農業の生産性向上、安全・快適性と環境負荷低減に貢献」。
挨拶する冨安社長
開会のあいさつで冨安代表取締役社長は「井関グループが解決すべき社会課題は飢餓を失くすこと。足元ではコロナ化、ウクライナ侵攻などから顕在化した食料安全保障への貢献がある。世界人口が80億に達し2050年過ぎには約100億人に達する。
一方で現在飢餓人口が1割。つまり現状70億の食料しか供給がままならない状況となっており、これを約1.5倍に拡大していかなければならない。しかし収穫面積は環境負荷の観点から従来のように森林を伐採して農地を作っていくわけにはいかず食料増産に向け農業の生産性向上がかかせない。国内においても食料の安定供給、自給率の向上など、食料安全保証は重要な課題。これら課題は、井関グループが培ってきた技術力、ノウハウを活かし課題解決に貢献しなければならないと考えている。」と述べた。
デモ走行にて直進アシスト機能を実演する「ヰセキトラクタBFシリーズ」
発表された「ヰセキトラクタBFシリーズ」は、中型トラクタ「ジアス」NTAシリーズを10年ぶりにモデルチェンジ。無段変速機を装備し高い伝達効率で効率的な作業ができ、作業中でも素早く、作業に応じた最適な車速が手元のレバーで選べる。また、多機能アームレストやドイツグラマー社製のサスペンションシートを採用するなど居住性・操作性が向上。シートベルトの装着を促すシートベルトリマインダー、作業者の離席を検知してPTOを停止する検知機能の装備など高い安全性も実現した。
「ヰセキマップデータ連動可変施肥田植機PRJ8-FS」
「ヰセキマップデータ連動可変施肥田植機PRJ8-FS」はマップデータ連動可変施肥田植機。人工衛星やドローン等のデータに基づいて作成された施肥マップをもとに同じほ場内で場所毎に施肥量を変えることが可能なため、過去の生育データに基づく施肥マップによりほ場内で施肥量を変化させ、適正施肥を行うことが可能。それにより生育ムラやバラツキを軽減することができ、ムダな肥料コストの抑制、品質の安定化等が期待できる。設定は、作業・機械管理システム「ISEKI アグリサポート」から施肥マップデータを読み込み端末と田植機をbluetooth通信させた状態で田植作業を行うと自動で可変施肥作業が行われる。また全農の推奨する栽培管理支援システム「ザルビオフィールドマネージャー」の施肥マップにも対応。
冨安代表取締役社長とJA全農の富田常務理事
発表会にはJA全農の富田常務理事も登壇。昨年度より共同開発を進めていたザルビオ対応の新製品、可変施肥田植機を発表でき大変喜ばしいとし、営農支援システム「Z-GIS」「ザルビオ」についての説明を行った。「Z-GIS」は、ほ場をデジタル化し栽培履歴や作業記録を一括管理が可能。ほ場毎の作物や品種が見える化でき、作付け状況の管理などの利用ができる。「ザルビオ」では作物や品種に気象や土壌などの情報を基にAIが生育状況や病害や雑草の発生を予測することが可能。生育状況に問題のあるほ場や、病害虫発生アラートがでた、ほ場を重点的に観察することにより作物の品質向上に貢献することができるとした。
2023年下期新商品発表会では上記に加え、小型トラクタ「ヰセキトラクタRTS5シリーズ」や重労働であるにんにく収穫を大幅に省力化できる乗用収穫機「ヰセキにんにくハーベスターVHW10」など計6品目21型式を発表した。
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