食料品への支出8割が維持「2023年度野菜と家庭菜園に関する調査」タキイ種苗2023年8月28日
タキイ種苗は、8月31日の「やさいの日」を前に全国の20歳以上の男女600人を対象に、「2023年度野菜と家庭菜園に関する調査」を実施。好きな野菜ランキングは、たまねぎが首位に返り咲き、嫌いな野菜は昨年に続きセロリがトップだった。また、今回は昨年から続く値上げラッシュにおける野菜の消費に対する意識などを調査した。
調査は7月7日~9日、「野菜」にまつわるイメージ評価や、野菜作りへの関心度や実践状況、野菜摂取目標量の認知率と実践などについてインターネットで行われた。
生活周りの物価が軒並み高騰する中、同調査によると、食料品の支出は82%が、野菜への支出は92.7%が維持。「衣料品」や「家具・家電」「外食」「エンタメ・レジャー」の支出を減らした人が軒並み3割を超えたのに対し、「食料品」を減らした人は18.0%で「光熱費・通信費」に次いで少なかった。食料品の中では「果物」や「卵・乳製品」「水産物」を減らした人が2割に達した一方、「野菜」を減らした人は7.3%に留まり、最も支出がキープされている。
また、食料品の値上がりへの対策としては、トップが「必要な量だけ購入し使い切る」47.8%。次いで「価格上昇の少ない食材を使う」と回答した人の41.7%を占めた。フードロス削減の取り組み意識の高まりもあってか「必要なだけ購入して使い切る」がトップとなっている。一方、次点の「価格上昇の少ない食材を使う」は、購入選択の工夫で乗り切る考え方で、「複数の店舗で値段の比較を行ってから購入する」と合わせて、支出を抑えるためには労力を厭わない姿勢も強く感じられる。
野菜の摂取については、84.2%が野菜摂取を「重視している」。昨年の結果(86.4%)よりわずかに減少したが、「重視している」割合は依然高い状態にあり、この意識が、値上げラッシュの中でも野菜への消費を維持する結果につながっているとみられる。
一方、3割強(32.2%)は野菜摂取が不足していると感じている。野菜摂取を重視している割に、実際に「十分に食べている」のは14.5%に留まった。野菜不足を自覚している人が32.2%(「かなり不足」(5.3%)「やや不足」(26.8%)の合計)で、昨年よりやや増加した。
恒例の野菜ランキングでは、野菜が好きだと回答した大人は、「大好き」(37.8%)、「どちらかと言えば好き」(49.8%)を合わせ、87.6%。昨年(90.0%)よりわずかに減少し、4年連続で9割を超えていた記録は途切れた。
好きな野菜ランキングは、、大人の1位は「たまねぎ」(75.7%)となり、昨年の2位から首位に返り咲いた。次いで2位「じゃがいも」(74.8%)3位「キャベツ」(73.2%)、「トマト」は大幅にランクダウン。昨年前半は価格が急騰し購入が控えられたことが影響したとみられる「たまねぎ」だが、価格が安定した今年は口にする機会が戻り人気再燃となった。一方、大人の嫌いな野菜では、「特にない」と回答した人が35.7%で最も多く「セロリ」「ゴーヤ」「ケール」が昨年と同順でトップ3となった。
野菜ランキングの子ども編では、野菜が好きだと回答した子どもは、「大好き」(14.2%)、「どちらかと言えば好き」(47.4%)を合わせ、61.6%。また、子どもが好きな野菜1位は昨年と同様「じゃがいも」(59.5%)。次いで2位「さつまいも」3位「トマト」4位「スイカ」と続いた。複数回答であげられた好きな野菜としては「じゃがいも」(59.6%)「さつまいも」(54.6%)「トマト」(51.0%)と不動のトップ3となり、子どもたちの間では昨年からのポテト人気が続いている。
一方、「嫌いな野菜は特にない」と回答した人が25.8%で、昨年(17.7%)から8.1ポイント増加。上位には大人のランキングでも上位の「ゴーヤ」「セロリ」のほか、「とうがらし」があがった。
家庭菜園については、「経験者」は42.3%。未経験者の3割が家庭菜園挑戦に興味があると回答。「家庭菜園を始めた理由」は「趣味として楽しむため」(49.2%)が昨年に続いて1位となり、全体3位の「家計の節約のため」は女性40代(52.5%)に多かった。今年の春以降に家庭菜園を始めた人が15.4%だった一方で、2020年冬以前からのベテランも66.7%。経験者の継続意向は強いが、コロナ禍で始めた人たちのドロップが気になるところ。
エコ・食品ロス問題の傾向としては、野菜の購買時に包装がない(少ない)ことに抵抗を感じる層は下げ止まり、なくて良い人は減少に転じた。包装がないことに抵抗を感じる理由の上位にあげられていた「冷蔵庫などでの保存時に困る」「買い物袋に入れる時に困る」と言った懸念が少ない野菜が、上位にあげられている。
また、食品ロス問題を「強く意識している」回答したのは15.8%で昨年と同率だったが、「意識している」は50.3%で、合計すると66.2%。野菜の包装にみられるエコ意識がやや停滞しているのと同様、フードロス問題への意識も足踏みしているようにみえる。
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