バイオものづくりバリューチェーン構築 神戸大学に「出光バイオものづくり共同研究部門」設立 出光興産2023年10月5日
出光興産は10月1日、神戸大学先端バイオ工学研究センターに「出光バイオものづくり共同研究部門」を設立し、バイオ燃料、バイオ化学品、バイオ農薬などを製造する「スマートセル」の開発に取り組む。
同社は、1970年代から微生物に関する技術開発に取り組み、世界トップレベルの微生物開発技術を有する神戸大学と2020年からバイオ農薬などに関する共同研究を実施。
今回設立した「出光バイオものづくり共同研究部門」では、2026年を目途に、バイオ燃料やバイオ化学品などの生産に活用可能な「スマートセル」の開発を目指す。
スマートセルを活用した有用物資の製造
スマートセルは、遺伝子改変技術と情報解析との組み合わせにより、目的物生産量を最大化した生物・細胞のこと。開発されたスマートセルは、今年5月に出資した神戸大学発のベンチャーで先端バイオテクノロジーを有するバッカス・バイオイノベーションにおいて、更なる生産性向上とスケールアップについて検討する。
バイオものづくり(微生物を利用したものづくり)は、主にスマートセルを活用して有用物質を効率的に生産する技術であり、現在はバイオマス等から得られた糖などを原料とするプロセスの実用化が目指されている。さらに、CO2を直接原料とする研究開発も進められており、いずれも持続可能な社会へ寄与できる技術として期待されている。
同社では、バイオものづくり領域の技術開発を加速させ、将来的には、原料確保、スマートセル設計、スマートセルを活用した有用物質の製造まで一気通貫するバイオものづくりバリューチェーンを構築することをめざす。
バイオものづくりバリューチェーンのイメージ
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