害獣対策ロボット「雷鳥3号」開発 ワークロイド農業で収量を確保 テムザック2023年11月14日
人に代わって活躍する多様な実用ロボット"WORKROID(ワークロイド)" を開発するテムザックは11月11日、害獣対策ロボット「雷鳥3号」を宮崎県延岡市の圃場に設置し稼働。省力化を追求した"ワークロイド農業"で、収量を確保するための害獣対策を実施する。
害獣対策ロボット「雷鳥3号」
「雷鳥3号」は、稲作をはじめ農業において大きな問題となっているイノシシなどの害獣対策として、夜間に圃場に侵入した害獣を検知し、高圧で対象物に向けて放水できるロボット。放水により害獣がほ場から退散することが期待されている。
今年、同社が稲を栽培したほ場では、収穫直前まで稲が順調に生育していたが、収穫の数週間前にイノシシにより一部の稲穂が食べられてしまったため、害獣対策に効果が期待できるロボットを急きょ開発。短期間で「雷鳥3号」を完成した。
ほ場に侵入し、農作物の収穫に大きな被害をもたらす害獣を追い払う「雷鳥3号」は、農作物の被害を防止するだけでなく、昨今大きな問題となっている熊などの動物を追い払うことにも応用できる可能性がある。
「雷鳥3号」は、日暮れ後の夜間帯にほ場に侵入するイノシシなどの害獣をセンサーが自動的に検知し、ほ場周辺の水路等からポンプでくみ上げた水を高圧にした上で対象物に放水。対象物を自動的に検知し対象物に向けて放水するため、夜間の圃場の見回りや遠隔監視など、人手をかけた対策を行う必要がなくなる
テムザックは、2022年12月、ロボットを活用した稲作について延岡市と連携協定を締結し、今年春には、最先端実践拠点として「アグリ研究所」を開設。農業経験のない人でも取り組める省力化農業 "WORKROID農業"として、米粉用米の水稲直播栽培を始め、雑草防除ロボット「雷鳥1号」を開発・投入した。また、ドローンによる播種作業の実施、水管理システムの運用などを実践。米作りにかけた労働時間は既存農業と比べ大幅に削減しながら、24アールのほ場で稲穂が実り800kg弱を収穫し、「大幅な省力化」「土地に張り付かない農業」などを実現できる可能性を確認した。
同社は今後、収穫ロボットなども開発し順次投入するとともに、収穫した米を米粉にすることで、6次産業化の仕組みづくりにも挑戦する。
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