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農業技術の電動化とデジタル化を実現するソリューション「Agritechnica 2023」で披露 シェフラー2023年11月27日

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シェフラーは11月12~18日、ドイツ・ハノーバーで開かれた「Agritechnica 2023」で、各種作業機能や補機ドライブ、ステアリングシステム向けスマートアクチュエータなど幅広い農業技術(アグリテック)を網羅する製品ポートフォリオを披露。モバイル農業機械の電動化・デジタル化向けシステムを中心に、同社はサステナビリティ目標に焦点をあて、農業分野における高効率で気候中立な経済への転換を支援する。

CASM-100アクチュエータを使用したEwellixのe-MOVEKITシステムソリューション。 写真は「クイックスタート」タイプの統合型ソリューションCASM-100アクチュエータを使用したEwellixのe-MOVEKITシステムソリューション。
写真は「クイックスタート」タイプの統合型ソリューション

シェフラーが展示する製品の中でも特に注目の製品が電気機械式リニアアクチュエータ。同社は、スウェーデンのリニアモーション専門メーカー・Ewellixの買収により、総合ソリューションプロバイダーとして存在感を強めている。同展示会ブースでは、農業機械用トラクションドライブや補機ユニット向けモータを始め、スマート農業向けのインテリジェントセンサソリューションも紹介した。

リニア技術 ― 大型車両アプリケーション向け高性能アクチュエータ

Ewellixブランドでシェフラーは、リニアモーション向けの効率的ソリューションを幅広く紹介。同展示会における注目技術の一つは、高性能電気機械式アクチュエータの新世代品「Ewellix CASM」アクチュエータで、最高水準の位置決め精度と、15トンの最大荷重を提供する。同アクチュエータは柔軟で高精度なリフト/チルト動作を特徴としながら、必要電圧はわずか24V、機械側制御システムとのインターフェースは標準的なアナログ通信もしくはCAN BUSを使用する。

もう一つの革新的なシステムソリューションが、Ewellixの「e-MOVEKIT」。同システムは、油圧シリンダから電動アクチュエータへの置き換えを迅速かつ容易に実現する。e-MOVEKITは、アプリケーションに適合させたCASM-100アクチュエータに、モータ、ギアボックス、取り付け用のアタッチメントを組み合わせたキットで、アナログおよびCAN BUSインターフェースのコントローラを備えている。また、アクチュエータコントローラは「スピードモード」を搭載し、アクチュエータの移動速度を動作中に増減。この速度調整は、それぞれの制御コマンドに合わせてモータの消費電力とトルクを変化させることで実現する。e-MOVEKITのコントローラは2つのタイプがあり、1つは従来型のシステム統合用ソリューションとして用意。さらに、設計コンセプト検討(CDS=Conceptual Design Study)用のクイックスタートバージョンとして提供している。

各種作業機能およびステアリング用スマートアクチュエータ

低作業負荷(コンバインやロールベーラーへの取り付け等)で直動動作を実装するソリューションとして、シェフラーはスマートアクチュエータ「Ewellix CAHB-2xS」を提供。絶対位置フィードバックおよび状態監視機能により、最高水準の位置精度と動作信頼性を達成しており、複数台を同期させ、CAN BUSによる高性能制御システムへの統合も可能。

この他、電動ステアリングアクチュエータの技術は、既にフォークリフトの実車試験で良好な結果が確認されている。電動化されたフォークリフトのドライブトレインであれば、ステアリングアクスルの残りの油圧システムもEwellixのステアリングアクチュエータに置き換えることが可能。油圧式ステアリングシステムに比べ、電気機械式システムはより優れた省エネ性と高精度なステアリング操作でき、オイル漏れによる土壌汚染のリスクを排除できる。

荷重およびトルク測定用センサ

シェフラーの「LoadSense-PIN」は、効率的な荷重制御を実現。このセンサソリューションは小型のスチール製シリンダで構成されており、このシリンダをコンポーネントの内径に圧入することで、その周囲の材料構造にかかる負荷を測定する。シェフラーの「Sensotect」コーティング技術により、シリンダ表面に直接塗布されているひずみゲージがこうした変化を記録し、アナログもしくはBUS信号でデータを機械制御システムに送信。荷重を計測することで、シャフトやギアボックスなどのコンポーネントにかかる負荷や、吊り具などを使用する際の安全指標となる荷重分布などの情報を提供することが可能となる

この他、農業技術向けスマートセンサソリューションとして挙げられるのが「Schaeffler TMSS (トルク計測センサシステム)」。このモジュールは非接触型のトルク・温度・速度計測システムで、アナログもしくはCAN BUSインターフェースにより機械制御システムへの統合が可能で、特に肥料散布機に最適で、散布量を均一に維持する。

最高の電力密度を達成したシェフラーのモータ

シェフラーのモータはメンテナンスフリーで、最大限の信頼性を提供。農業機械のトラクションドライブもしくは補機ユニットなどに使われている。ユーザーからの小型で高電圧なシステムに対する需要が増加していることから、シェフラーはヘアピンコイルと波巻コイル(連続ヘアピン)を用いた平角線の巻線技術をベースとした革新的ソリューションを提供。高い銅線占積率、鉄損や磁性損失の低減、熱放散の改善などによりコンパクト設計を実現している。

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