島原半島産イチゴ「ゆめのか」育苗にバイオスティミラント「東京8」使用効果を発表 太陽油化2023年12月26日
太陽油化は、同社が開発した、バイオスティミュラント「東京8」について、8月に実施した長崎県島原半島の圃場のイチゴの育苗における使用実験の効果を発表した。
夜冷処理の様子
「東京8」は、同社の事業である都市型排水から発生する「汚泥」処理の研究の中で発見した約1500種の微生物を集合化させた微生物資材。2022年に有機JAS資材に登録され、有機農業を含めた、あらゆる農業に使うことができる。
今回の栽培実験に使った「ゆめのか」は、ジューシーで甘さと酸味のバランスが絶妙な鮮やかな紅色のイチゴ。また、草勢が強く、平均20グラム前後のよく揃った果実がたくさんなる。果皮がほど良く硬いため傷みにくく、完熟に近い状態で収穫できる。
実験に協力した圃場のある長崎県は、令和3年にイチゴの生産量トップ5にランクインするイチゴの栽培が盛んな地域。3反の面積で、土耕栽培を行う圃場が協力し、「東京8」を育苗期間中の8月上旬に潅注し、その後、500倍希釈で2~3回散布した。夜冷開始は8月25日からだったが、今年は暑く花芽がなかなか出来なかったため、9月20日に定植した。
定植後の「東京8」散布は、①9月22日に潅注(500倍)、②10月3日(500倍)、③10月10日(500倍)、④10月23日(500倍)にそれぞれ殺虫剤などと散布。収穫開始は花が咲いてから45日以降、うまくいけば12月上旬から中旬にかけて収穫できる。
「東京8」を散布した苗の方が生育が進み、苗ががっちりしている
夜冷処理は、夜間に低温処理を行うことで、花芽分化を促進する育苗方法の一つ。ポット苗やセル成型苗に対して、8時間程度の短日処理に加えて夜間は約12~15℃の低温処理を行い、花芽分化を促進する。花芽分化の条件である短日と低温の二つを組み合わせることで、安定した効果が期待できる。
比較対照は、実験実施者が全面散布を希望されたため、隣接のほぼ同条件の他生産者の苗を使用。写真は夜冷中の苗の状態で、「東京8」を散布した苗の方が生育が進み、根張りも「東京8」を散布した苗の方が、根が発達している。
また、夜冷期間中は株が密集し、イチゴ炭疽病がまん延してしまうことが多いが、今年はほとんど発生しなかったた。このことから、育苗中から「東京8」を散布することにより、健全な苗が育ち、病原菌の菌密度を上げさせなかったと推察できる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日