プラ量 従来品の4割削減 環境負荷軽減の被覆肥料上市へ ジェイカムアグリ2023年12月26日
肥料メーカーのジェイカムアグリは12月25日、従来品のプラスチック量を4割削減した新しい被覆肥料を開発し2024年度内に上市すると発表した。
被覆肥料は肥料粒をプラスチックなどで覆うことによって、肥料成分の溶出を抑制し肥効が長時間持続できることから、追肥が不要となるなど施肥量削減と省力化につながっている。
一方、肥料成分が溶出した後のプラスチック殻の河川や海洋への流出が問題となり対策が求められている。
そのため同社は新しい被覆肥料の開発を進め、このほど従来品(「LPコート」、「エムコート」)では被膜に50%含まれていたプラチック量を4割削減し、30%(肥料1粒あたり3%)とした新しい製品を開発した。
この新しい「Jコート」の被膜殻は従来品より崩壊性が高いという特徴があり、殻に空気が入り込んで水面に浮上し水田から流出することを抑制できるという。同社では流出防止策(浅水代かき、自然落水、水田流出口のネット設置など)を組み合わせることで流出を防ぐことができるとしている。
同社は被膜肥料のシェア50%以上で業界トップ。含有プラスチック量を公表している企業のなかで削減量などの公表は業界初。
新しい「Jコート」は2024年度上期に水稲用の販売を開始、下期には麦用を販売開始する予定。同社は1工場から4工場での増産体制の構築を進めており、従来のJコート品をリニューアルしていく方針だ。
また、自然環境で分解する生分解性樹脂を被膜に利用した被覆肥料の開発を進めており、実験室内ではあるものの、従来品と同様の溶出抑制機能を持つ被覆肥料が開発できたとしており、同社は2030年の普及をめざす。
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