「ビール酵母細胞壁」由来資材を添加 窒素含有量を高めた「汚泥肥料」開発2023年12月27日
アサヒバイオサイクルは、双葉三共と共同で、ビール酵母細胞壁由来の農業資材(肥料原料)を添加し、窒素含有量を高めた汚泥肥料「sUXウルトラエックス」(肥料登録名:フタバソイル他)を開発。2024年1月から双葉三共が販売する。
汚泥肥料は、下水処理場の水処理工程で発生した汚泥や、工場などの廃水処理施設から生じた汚泥、食品工場から排出される食品残渣を混合し、発酵、堆肥化したもの。下水汚泥の中には、植物の成長に必要な窒素やリンなどの栄養分、ミネラル分が豊富に含まれており、肥料として有益であることから、政府が普及を推進している。
ビール酵母細胞壁由来の農業資材は、ビール製造工程で発生する副産物のビール酵母を活用した食品由来の安全・安心な資材で、イネなどの植物の根の成長促進や免疫力の向上などの効果が実証されている。
両社は、ビール酵母資材の新たな用途開発として、汚泥肥料にビール酵母細胞壁を添加することで、肥料成分を増加させることができるという仮説のもと、堆肥としての有用性を試験したところ、窒素含有量(湿重量)が従来製品の4.77%から6.36%に増加することを確認。窒素は肥料成分の三大要素の一つであり、適切に与えることで作物の茎葉の成長を促進し、収量も向上することが期待できる。また、ビール酵母細胞壁には発酵を促進させる働きがあるため、有用菌を増やすことができ、窒素含有量も増えたと推定している。
汚泥肥料製造フロー
アサヒバイオサイクルと双葉三共は、今回の取り組みをきっかけに、政府が推進する国産原料による肥料製造・販売の拡大に向けて、将来的にはアサヒグループの工場から排出される食品残渣の一部活用も見込んでいる。未利用資源や副産物を混合した堆肥を活用することによる、環境保全への取り組みや肥料の安定供給により、持続可能な農業への貢献を目指す。
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