着脱式可搬バッテリーが動力源「越冬ハクサイ頭部結束機」を初公開 農研機構2024年2月15日
農研機構は3月8日、農業機械研究部門(埼玉県さいたま市)で開かれる「令和5年度農業機械技術クラスター総会」で、動力源に市販の着脱式可搬バッテリーを利用したハクサイ頭部結束機を初めて公開する。
農研機構は、農作業を軽労化する越冬ハクサイ頭部結束機の電動化に関する研究を実施している。越冬ハクサイの頭部結束作業は、冬期の霜害や凍害から結球部を守るため、人手で複数枚の外葉を持ち上げて結球部を包み、わらやポリプロピレン製ひも(PPひも)などで頭頂部をまとめて結束する作業。長時間狭い所で腰や膝を曲げた辛い姿勢で作業を行うため、軽労化が求められている。
こうした状況を踏まえ、農研機構の農業機械技術クラスター事業において、2021年5月にメーカー、公設試と共同で、歩行型のハクサイ頭部結束機を開発。開発機は1畝1条栽培のハクサイを対象に、1本のPPひもで頭頂部を連続して結束する機械で、小型エンジン発電機で稼働する。同12月にモニター販売(販売元:東洋精機)を開始したが、生産現場等からは低コスト化や燃油を使わない発電手段への転換による環境負荷の低減が求められていた。
図1(左):ポータブル電源と着脱式可搬バッテリー・図2:作業試験の様子
そこで、農研機構は、2023年6月に東海漬物(愛知県豊橋市)から研究寄附を受け、研究課題の一つとして「越冬ハクサイ頭部結束機の電動化に関する研究」に取り組んでいる。同課題では、異分野の機械も含めたバッテリーシェアリング社会の実現を目指し、二輪業界で仕様が共通化されている市販の着脱式可搬バッテリー(HondaMobilePowerPacke:)を内蔵したポータブル電源(HondaPowerPode:、図1)でハクサイ頭部結束機を稼働させる実証試験(図2)を実施している。
3月8日開催の「農業機械技術クラスター総会」では、他の開発機自動運転スピードスプレーヤ、高機動畦畔草刈機、遠隔操作式高能率法面草刈機等とともに実機を展示を行する。同イベントは、クラスター事業における今年度の活動結果及び次年度の活動方針の報告を目的として開催される。
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