「紫外線発光光源」を活用した新たな病害虫防除技術を確立へ 実証の実施 NTTアグリテクノロジー2024年2月19日
株式会社NTTアグリテクノロジー(東京都新宿区)、株式会社長尾商会(高知県高知市)、ぷらっとホーム株式会社(東京都千代田区)、の3社は、クラウド型のデータベースシステムと連携し、化学農薬に代わる防除技術である紫外線発光光源を活用したデータ駆動型病虫害防除技術の確立に向けた実証を2023年12月より実施している。データ駆動型の紫外線発光光源による病虫害防除技術を確立し、高知県をはじめとする施設園芸が盛んな地域への実装を目指す。
NTTアグリテクノロジーは、従来の化学農薬に代わる物理的な防除技術である、紫外線発光光源(病虫害防除効果があると想定される、紫外線を照射する光源デバイス)を用いた病虫害防除の取り組みを進めており、毎日一定条件で照射し続けることで、一定の防除効果を見込むことを確認。一方で、生産者の電力代増加に伴う経済的負担が増すことが課題。
紫外線発光光源(ハウス上部)
実証では、高知県立幡多農業高校にあるトマトの、ほ場を実証フィールドとし、当該ほ場にて紫外線発光光源を用いた病虫害防除に関する実証を行う。具体的には、高知IoPクラウド(IoTで接続した農業ハウス内の機器のデータや農産物個々の出荷データ等を、リアルタイムで一元的に集約するクラウド型のデータベースシステム)と連携することで、実証ほ場に設置したカメラやセンサー機器で収集したほ場内の環境データ(温湿度や捕虫シートの画像データなど)をクラウド上で確認・分析できる仕組みを作り、データを基に、ほ場の状況に応じた紫外線発光光源の照射を実施する。さらには、病虫害に詳しい専門家も協力し、高知IoPクラウド側(IoTで接続した農業ハウス内の機器のデータや農産物個々の出荷データ等を、リアルタイムで一元的に集約するクラウド型のデータベースシステム。)から病虫害防除に最適な紫外線発光光源の照射制御ができる仕組みを整備する。ほ場の環境・状況に合わせて適切な照射制御することで、生産者のコスト負担の軽減や防除効率の向上が期待される。
2月7日には地元関係者に向けて経過発表会を実施し、防除効果に関する結果など、実証の経過を報告した。今後も、実証フィールドである高知県立幡多農業高校の生徒への説明会を実施するなど、得られた成果を業界および地域へ展開していく。実施期間は、2024年3月8日までを予定。
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