十勝農協連などと大規模畑作農業スマート化の実証実験 クボタ2024年4月11日
株式会社クボタは、地域の農業生産者や十勝管内の農協、十勝農業協同組合連合会(十勝農協連)などと連携し、クボタと十勝農協連の営農支援システム間のデータ連携とその活用によるユーザーの利便性向上等に関する2カ年の実証実験を行っている。
データ連携のイメージ
日本有数の食料基地である北海道十勝地方。十勝地方では4年間を1サイクルとして1つの畑で栽培する作物を毎年変えていく輪作が主流であり、作付けした作物や作業の履歴をほ場・時期ごとに正確に記録することが欠かせない一方で、高齢化や人手不足の課題解決に向け、営農支援システムの活用が求められている。
クボタが2014年にサービス開始した営農支援システム「KSAS」は、農地情報や作業履歴、収穫実績、農業機械の稼働情報等をパソコンやスマートフォン等を使って記録・管理・閲覧できるシステム。全国で約9,000軒の農業生産者が導入している。
2017年に十勝農協連がサービス開始した「TAF(十勝地域組合員総合支援システム)」は、スマートフォンやタブレット、パソコンなどの情報端末で、過去の作付作物や土壌分析結果、生産履歴等の生産に必要な情報を管理・閲覧できるシステム。十勝地方の農業生産者の約85%が利用登録しており、生産者と農協がデータを共有し、農協による栽培技術の改善指導や作業支援にも活用されている。
十勝地方では、農業生産者当たりの平均耕地面積が約46haという広大な農地での作業を省力化かつ高精度化するため自動操舵ガイダンスが広く普及している。そこから得られる走行履歴の位置情報を「KSAS」や「TAF」上で活用することによって作業履歴管理の効率化が可能となり、更なる規模拡大をめざす農業生産者への貢献が期待される。そこで、実証実験ではデータ活用方法の検討や両システムを連携させることによるデータ入力作業の軽減効果の検証などを行う。
2024年の実証実験では、農業生産者がより精密なほ場・作業履歴管理をする際に必要とされる、作業速度や高低差等のデータの「KSAS」上のマップへの反映などのサービス提供に向けたシステム開発や、「KSAS」を経由して「TAF」上に取り込んだ走行履歴の位置情報を活用することによる、地域単位での情報共有の強化・円滑化の可能性について検証することなどが計画されている。
実証実験は、2023年6月~2025年3月まで、帯広市や更別村で行われる。クボタや十勝農協連に加え、JA帯広かわにし、JAさらべつなど合計8社・機関が参加・協力している。
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