DJI農業ドローンによる全工程運用で「おいしいお米」優良金賞 Z世代の活躍を紹介2024年6月13日
DJIは、同社の農業ドローンによる全工程運用で、2023年の「第17回あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」でメジャー部門優良金賞を受賞した「きぬむすめ」を栽培した鳥取県の新興農家、馬田雄大さん(21)の取り組みを紹介している。
稲作の全工程をドローンで管理することに挑戦した馬田さん
2002年生まれの馬田さんは、鳥取県の鳥取県立農業大学校を卒業後、父親と共に農業に携わってきた。在学中、授業でドローンに触れる機会があり、農業用ドローンによる栽培管理に強い関心を抱くように。父親の世代の伝統的な農業モデルを見て、不安を覚えた馬田さんは実家の農業を継ぐことを選び、自らの学びをもとに、この状況を変えたいと考えた。
大学卒業後、DJIの農業用ドローンT20を導入。馬田さんは「日本において、農業に対する一般的な印象は、疲れる、大変、儲からないというものだが、この否定的な見方を変えたい。農業用ドローンの簡単かつ効率的な運用は、従来の固定概念を打ち破ることができる」と話す。
ドローンで米直播と肥料散布を効率的かつ均一に
馬田さんは、優良金賞取得に向けた成功の秘訣について、2023年はDJIのドローンを稲作作業の全工程に使用したことを挙げる。薬剤と肥料の量を正確に制御でき、同時に均一かつ効率的な作業が可能になり、これにより、高品質なお米の生産を確保することができたという。
今年4月、馬田さんはDJI Phantom 4シリーズの空撮ドローンと新しい農業ドローン Agras T25を使って、8ヘクタール分の稲作の全工程作業を行った。まず、Phantom 4シリーズの一つP4 Multispectralを使用して自動航空測量とマッピングを行い、空撮写真で構築された圃場の高解像度マップ上でT25用の自動散布航路ミッションを一括編集。これにより、2ヘクタールの土地の航空測量が10分で完了した。馬田さんは「自動運用は効率を向上させるだけでなく、農地における将来の大規模標準生産のニーズにも対応する」と話す。
4月8日、馬田さんが最初に使用したのは、直播用にコーティングされた鉄黒コーティング種子。これにより、「最低ロット数の制限がなく、自由に品種を選択」できるという。
さらに、4月22日から24日にかけて、T25を使って肥料の散布作業を実施。これまでは、トラクターを使って基礎的な施肥を行っていたが、この方法は手間がかかり、水稲の後半期には肥料の栄養分が不足する問題が生じた。一方、T25を使うことで、1回の飛行で20kgの肥料を正確に散布でき、0.1haの範囲をカバー。馬田さんは1日で8ヘクタールの畑に簡単に施肥作業ができるようになった。また、T25ドローンは水稲の成長状況に応じて、随時、追肥作業が可能。可変施肥を併用することで、肥料の節約と収量の増加を実現する。
4月25日、馬田さんはT25ドローンを使って水稲の直播作業を開始。従来の田植機による田植えに代わり、DJI農業用ドローンT25を使った稲の直播と肥料散布作業を実施した。「従来の田植機を使い続けると、育苗や苗の水管理などの作業が必要で、多額の投資が必要になる。また、田植機で行える作業範囲は非常に限られる。田植機を使って昼夜問わず作業しても、2ヘクタールしか播種できないが、ドローンを使えば1日で約10ヘクタールの播種が可能。散在する圃場では、高精度で均一性が保証されたドローンを使用する方が効率的」(馬田さん)。
馬田さんは、高齢化が進む日本の農業において活躍する若手として、「ドローンの登場により、農業本来のイメージが打ち砕かれた。ドローンを複数のシナリオに適応させることで、省力化・効率化が可能になる。これが今後のトレンドであり、農業の未来の形だと思います」と話している。
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