廃液を利用したバイオスティミュラント「AG乳アミノ」開発 トモヱ乳業2024年7月12日
トモヱ乳業は、牛乳など製品の検査残液を特殊な微生物相によって発酵させたバイオスティミュラント資材「AG乳アミノ」を開発。各試験の結果から、AG乳アミノの処理により、高温などの環境ストレスに対する抵抗性が向上することが示唆された。
AG乳アミノを散布したナス(右)と散布していないナス
バイオスティミュラントは、農作物の収量向上や品質改善に寄与する生物刺激剤。国内でも農林水産省が主導する「みどりの食料システム戦略」において化学肥料の使用量を削減する指標などが定められており、肥料や土壌改良材のいずれの法的範疇にも属さないバイオスティミュラント資材が注目されている。
「AG乳アミノ」は、品質管理の過程において廃棄していた製品の検査残液を回収し、日本ゼウス工業が保有する特殊な微生物相によって発酵させたもの(特許出願済み)。メタゲノム解析によって乳酸菌、酢酸菌、酵母の複合微生物で構成されていることが明らかになっており、有機酸やアミノ酸を豊富に含んでいる。
圃場での試験により、同資材を葉面散布することでイチゴの甘味度向上と収量向上や、ネギの成長が促進されることが確認されている。また、猛暑下においてもナスの収量が向上して日焼け果が減少。さらに、横浜国立大学発のベンチャー企業の横浜バイオテクノロジーでの試験では、同資材をシロイヌナズナの培養液に添加したところ、ストレス防御応答遺伝子であるPR-1aの発現を誘導することが明らかになった。こうした結果から、「AG乳アミノ」によって植物が受ける高温などの環境ストレスに対する抵抗性が向上している可能性が示唆されている。
「AG乳アミノ」、アイアグリ株式会社(茨城県土浦市)が運営する「農家の店しんしん」でテスト販売を行っている。
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