生産資材:年頭あいさつ2020(農機・資材)
雨宮 宏司 氏(一般社団法人日本農業機械化協会 会長)2020年1月2日
新年明けましておめでとうございます。
我が国の農業生産・農業機械に関しては、スマート化、ICT化が世界の先頭を切って進んでおり、これが農業全体の活性化にも大きく寄与するものと期待されています。
ロボット農機も従来機でも安全対策重視
昨年には全国69カ所で「スマート農業実証プロジェクト」が開始され、ロボットトラクターを始めとするスマート農機の現場における有効性検証が、国を挙げて行われているといえます。当会でも昨年、埼玉県で「ロボット&ICT農機実演検討会」を実施し、全国から約800名の参加者を得てほ場での実演に基づく検討が行われました。
さらに、特に実用化にあたって課題となる安全性について関係メーカー等からなる「ロボット農機安全性確保策検討コンソーシアム」を組織し、試作ロボット機による現地試験などを行いながら具体的な安全方策策定に取り組んでいます。
一方、従来ベースの安全対策も重要です。農作業事故率がなかなか減少をみせないなか、特に死亡事故では65歳以上が約85%と高齢者比率が極めて高いことから、本会では年間約千台を対象に高齢者の農業機械を実際にチェックし、安全性改善・啓発につなげる「ベテラン農業機械点検」を実施しています。さらに、高齢者の方が実際に自らの機械で作業する場面を動画撮影し、安全指摘・啓発ビデオを作成するということも行っています。加えて昨年は、トラクターに作業機を装着したまま公道を走行する際のルールが明確化されました。新たな尾灯や反射板が必要となる場合もあり、大型特殊運転免許の必要性も改めて明確化され、その現場への浸透と安全の徹底も重要なことと考えています。
また、生産性向上・コストの低減については、特に中古農業機械査定士制度の設置・運営に力を入れています。スマホかタブレットがあれば全国どこででも実機を前にして、型式名や年式、要修理か所などを入力して本制度方式の査定価格が算出できる仕組みを発足させるなどにより、健全な中古市場育成を目指しています。
末筆となりましたが、本年も農業機械化・施設化に尽力される皆様のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。
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