野菜産地、高温対策を 農水省2013年8月1日
7月の猛暑でホウレンソウで「とろけ」被害が発生するなど、出荷量の減少から野菜価格が高騰した。市場関係者からの聞き取り調査で農水省は、レタスなどは8月上旬には平年並み価格に回復するとしているが、キュウリやホウレンソウは高めの推移が見込まれている。また、野菜産地には高温対策を呼びかけることにしている。
今回の価格高騰のおもな要因は、産地リレー出荷がうまくいかず、出荷に谷間ができたこと。
キャベツの場合、関東の消費地には、6月は例年、千葉県産と茨城県産が中心となるが、茨城県産は5月中旬の気温上昇で生育が促進され出荷が6月上旬に集中、出荷終了が早まった。一方、7月からは群馬県産が中心となるが、6月下旬の日照不足と低温によって生育が遅れたことから、7月始めの出荷量が減少、出荷量に「谷間」ができてしまった。
また、ホウレンソウでは猛暑の影響で、7月の出荷の中心となる群馬県産と栃木県産に葉や茎が溶ける「とろけ」が発生、出荷量が減少した。
7月23日時点の卸売市場価格は、レタス(長野)が平年比154%、ハクサイ(長野)同191%、キャベツ(群馬)同167%、キュウリ(福島・岩手)同154%、ホウレンソウ(群馬・栃木)同128%だった。
市場関係者の見通しでは
▽レタスは病気が少ないため8月上旬ごろには平年並みに回復
▽ハクサイは夏季需要の中心である漬物など業務用がまかなえておらず、8月上旬ごろまでやや高めで推移
▽キャベツは学校給食需要がないため8月上旬ごろには平年並みに回復
▽キュウリは東北地方で曇雨天で推移し低温・多雨傾向の予報もあることから、8月上旬ごろまでやや高めで推移する
▽ホウレンソウは暑さに弱い品目のため、8月上旬ごろまでやや高めで推移する
となっている。
出荷に谷間が生じてしまうと、業務用では米国産レタスや中国産キャベツの輸入によって手当するという動きも出てくる。
このため農水省では露地栽培での敷きわらや被覆資材、灌水など基本的な高温対策や、秋野菜に向けては種まき、定植ができるかどうか、産地状況に注意を払い技術指導を実施していくことにしている。
(関連記事)
・4人に1人が週1回トマト JA全中調査(2013.07.30)
・夏野菜価格、おおむね前年を上回る見込み(2013.07.24)
・ホウレンソウ16%高 野菜小売価格(2013.03.13)
・富岡製糸場に「ぐんまのスギ」製品寄贈 農林中央金庫(2013.02.05)
・【JA全農 園芸農産部】 加工・業務用野菜で産地リレー(2011.10.24)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日