野菜の2月の生育状況および価格の見通し 農水省2016年2月1日
農水省は1月29日、2月の東京都中央卸売市場における野菜の生育状況と価格見通しを公表した。主産地や卸売会社からの聞取りによるもの。
【現在の生育状況】
ダイコン、キャベツは12月に気温が平年を上回ったため生育が進んだ。
ニンジンは11~12月に気温が上回り、適度な降雨があったため、肥大が良好で、大型の傾向にある。
ホウレンソウは1月中旬以降、気温が平年を下回ったため、生育が停滞している。
キュウリとナスは11月に日照時間が平年を下回ったため、着果数の不足が発生している。
トマトは年末までの出荷数量が平年を上回ったため、着果数の不足が発生している。
ハクサイ、ネギ、レタス、ピーマンについての生育は平年並み。
九州産バレイショは10月の少雨により着イモ数が減少している。サトイモとタマネギは貯蔵物のみの出荷期間となっている。
◆主要な品目ごとの今後の生育および出荷、価格見通し(品目、主要産地など)は以下の通り。
【今後の生育と出荷、価格見通し、()内は27年2月の入荷シェア】
◎ダイコン:神奈川(54%)、千葉(32%)
1月は、11月上旬以降、気温が平年を上回ったため出荷が進んだ。出荷数量は平年を上回ったため、価格は平年を下回った。2月前半は既に収穫時期を迎えているものがほ場に多く出荷数量が平年を上回るため、価格は平年を下回る見込み。また同月後半は出荷数量、価格ともに平年並みに回復する見込み。
◎ニンジン:千葉(80%)
1月は気候の影響により肥大で大型の生育傾向となり、出荷数量も平年を上回るため、価格は平年を下回って推移。2月は引き続き出荷数量が平年より上回るため価格は安値となる見込み。
◎ハクサイ:茨城(67%)、群馬(18%)
1月は集荷数量が平年を上回ったため価格は安値となった。2月は1月中旬以降の気温低下の影響により生育が落ち着いたため、出荷数量、価格ともに平年並みに回復する見込み。
◎キャベツ:愛知(67%)、千葉(15%)
1月は出荷数量が平年を上回ったため価格は安値となった。2月前半はすでに収穫時期を迎えているものがほ場に多いため出荷数量は平年を上回り、価格は安値となる見込み。同月後半は天候が平年並みに推移すれば、出荷数量、価格ともに平年並みに回復する見込み。
◎ホウレンソウ:群馬(25%)、茨城(25%)、埼玉(21%)
2月前半は生育は停滞していることを受け、出荷数量は平年を下回り、価格は高値で推移する見込み。同月後半は気候が平年並みに推移すれば、出荷数量、価格ともに平年並みに回復する見込み。
◎ネギ:千葉(38%)、埼玉(24%)、群馬(12%)
生育が平年並みであることから、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。
◎レタス:静岡(33%)、香川(12%)、茨城(12%)
1月は大玉傾向であったことから、出荷数量は平年を上回り、価格は安値となった。2月は東海、四国、関東の産地で気温低下の影響により生育が落ち着いたため、出荷数量、価格ともに平年並みに回復する見込み。
◎キュウリ:宮崎(32%)、千葉(20%)、高知(18%)
1月は着果数と肥大の不足により、出荷数量は平年を下回り、高値となった。2月前半は、出荷数量、価格ともに回復傾向にあるものの、着果数の不足の影響により出荷数量が平年を下回るため高値となる見込み。同月後半は天候が平年並みに推移すれば、出荷数量、価格ともに平年並みとなる見込み。
◎ナス:高知(64%)、福岡(16%)
1月は11月上旬以降、日照時間が下回ったため、着果数不足と肥大不足が発生。出荷数量が平年を下回り、高値となった。2月前半は出荷数量、価格ともに回復傾向にあるものの、着果数の不足の影響により出荷数量が平年を下回るため高値となる見込み。同月後半は天候が平年並みに推移すれば、出荷数量、価格ともに平年並みとなる見込み。
◎トマト:熊本(34%)、栃木(19%)、愛知(12%)
1月は九州で年末までの出荷数量が平年を上回って推移したことによる樹勢の低下により、着果数が不足したため、高値となった。2月も着果数が平年を下回り、出荷数量も下回ることから、高値となる見込み。
◎ピーマン:宮崎(37%)、高知(18%)、鹿児島(15%)
生育が平年なみのため、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。
◎バレイショ:北海道(59%)、鹿児島(30%)
北海道産の在庫数量は平年並みだが、九州産が着イモ数減少などにより、出荷数量は平年を下回るため、高値で推移する見込み。
◎サトイモ:千葉(34%)、埼玉(33%)
収量が平年を下回る産地が多く、在庫数量は平年を下回るため、高値となる見込み。
◎タマネギ:北海度(84%)
北海道産の在庫数量が平年を上回るため、出荷数量も平年を上回り、安値となる見込み。
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