東北地域で晩生・多収 黒大豆新品種「黒丸くん」 農研機構2016年11月22日
農研機構は11月21日、東北など寒冷地向けの黒大豆「黒丸くん」の育成を発表した。東北地域での成熟期は晩生で、収量が多く大粒という品種特性がある。黒豆煮豆用に適している。
黒豆煮豆などに使われる黒大豆は、北海道の「いわいくろ」や関西の「丹波黒」などが主な品種。東北地域では、栽培地域が限定された偏平の「黒平豆(通称、雁喰豆/がんくいまめ)」や納豆に使われる小粒の「黒千石(くろせんごく)」があるが大粒の品種はなかった。
今回、収量・品質低下の原因となるダイズモザイク病の抵抗性品種「ギンレイ」と大粒黒大豆系統「刈系529号」を交配し、東北などで栽培する大粒煮豆用の新品種「黒丸くん」を育成した。
「黒丸くん」の子実は大粒で煮豆に加工すると光沢と色が良い。草は倒れにくく、一番下のサヤが付く位置が高いためコンバインで収穫しやすく機械化栽培に適している。
東北の普通大豆「スズユタカ」や関東以南向けの黒豆「玉大黒」より多収。しかしダイズモザイク病やダイズシストセンチュウへの抵抗性は強くないため、病害虫の蔓延する地域の栽培は避ける必要がある。
栽培適地は東北地域中南部で、育成地の秋田県大仙市での成熟期は晩生。
今後は東北地域で黒大豆の産地化を目指す生産者や実需者に収益向上の貢献が期待される。なお現在、東日本大震災で被災した岩手県沿岸地域での導入を目指している。
図1:「黒丸くん」の煮豆官能評価結果
(写真上)子実と草姿。両写真とも左から黒丸くん、玉大黒、スズユタカ。草姿の写真から一番下のサヤの位置は、黒丸くんと玉大黒が同程度の高さであることがわかる
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