青果物の消費減 低価格志向強まる JC総研消費調査2016年12月22日
野菜・果物を食べる頻度が減り、鮮度・国産・旬よりも低価格志向が高まっていることが(一社)JC総研の消費行動調査で分かった。特に40歳代の働き盛りの世代でこの傾向が強い。収入減の影響も懸念される。
毎年1回、JC総研がインターネットで調査している。7月に実施し、今回は全国の約2200人が回答した。それによると、野菜を「毎日(ほぼ毎食+ほぼ毎日)食べるが前回の60.9%から、はじめて6割を割り59.4となった。果物は「毎日食べる」が28.5%で前回と同率だったが、「週に1日未満/食べない」が32.3%と、前回の29.5%から2.8ポイント増えた。
野菜・果物ともに「毎日食べる」は高年齢層ほど高まる傾向にあるが、40歳代で大きく減っているのが目立つ。またカット野菜と野菜ジュース・果物ジュースは、トータルで「週に1日以上食べる」が増加するなど、生鮮野菜の代替として、また簡便であることから、じわり消費が増えている。
一方、購入時に重視するのは、野菜が1位で「鮮度がよい」が61.4%で前回の61.9%から0.5ポイント減り、2位が「販売単価が安い」53.5%で前回と同率。3位は「国産品である」35.1%で、前回の38.6%から3.5ポイントと大きく減少した。「国産品である」は2014年以降減少が続いており、国産品へのこだわりが薄れているようだ。
果物は、1位の「鮮度がよい」が56.4%(前回54.5%)と、前回より増えているが、2位「販売単価が安い」46.1%(同45.4%)、3位「旬のもの」31.8%(同33.1%)で、4位「特売で安い」25.9%(同24.8%)だった。「国産品である」22.2%(同25.9%)、「味・食味がよい」24.3%(同24.7%)で、いずれも減った。
また、5割以上の人が野菜不足を感じ、そのうちの約4割が「家庭の食事で量を多く摂りたい」と答えており、外食から家庭志向が強まっていることが伺える。1回あたりの購入金額は野菜で、「500円以下」が52.4%(前回50.8%)、果物で72.6%(同71.8%)となり、ここでも低価格志向が見られる。
なお、好きな野菜はトップがタマネギ、次いでキャベツ、ジャガイモで、4年連続の指定席。果物も桃、ミカン、イチゴが連続してベストスリーを占めている。
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