高温に強いリンゴ育成「紅みのり」と「錦秋」 農研機構2018年6月13日
高温でも着色しやすく、軟化しにくいリンゴができた。農研機構が育成した早生品種の「紅みのり」と中生品種の「錦秋」で、温暖な産地で「つがる」の代替として、また「シナノスイート」と収穫期の異なる品種として普及が見込まれる。同機構が6月12日発表した。
早生リンゴは気温の高いときに果実が成熟するため、赤色品種の場合、高温で着色が阻害されやすい。このため外観が悪くなるという問題がある。また果肉の軟化が進みやすく、品種本来の食味になるまで樹上に置くと、果肉が柔らかくなりすぎ、商品性が落ちるという難点がある。特に、近年地球温暖化で、温暖なリンゴ産地では早生の主力品種「つがる」で、その傾向がみられる。
(写真)紅みのり
農研機構が開発した「紅みのり」は「つがる」と「ガラ」の交雑品種。果実の大きさや品質は「つがる」と同等で2週間ほど早く生育し、8月下旬には収穫できる。高温条件でも着色しやすく、かつ良好な食味になるまで樹上においても果肉が軟化しにくい。「つがる」で着色不良や果肉軟化が問題になっている東北地方南部以南の温暖なリンゴ産地での普及が見込まれる。 一方、「錦秋」は、温暖なリンゴ産地でも果皮が濃赤色に着色しやすく、甘味が多く歯ざわりのよい中生の品種で、「千秋」に「4-4349」(「つがる」×「いわかみ」)を交雑して育成した。中生品種でも気温の高い条件下で収穫するケースが増え、着色不良が発生しやすくなっている。「シナノスイート」よりも2週間程度早く収穫でき、中生品種としては糖度、酸度ともに高く、食味は濃厚。「紅みのり」同様、東北地方南部以南の温暖なリンゴ産地でも外観のよいリンゴができる。寒冷な産地でも果実肥大、糖度に問題はなく、広範なリンゴ産地に適する。
(写真)錦秋
<苗木入手に関して>
○問い合わせ先:農研機構果樹茶業研究部門企画管理部企画連携室
○TEL:029-838-6443
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