ネギで風邪を吹き飛ばそう! タキイ種苗2018年11月27日
タキイ種苗(株)は、いよいよ平成最後の冬が到来するということで、お鍋や薬味に欠かせず、民間療法にも用いられる、今が旬のネギについて「実は!」な話を紹介している。
◆根深ネギはほとんどが「葉」
「根深ネギ」の白い部分(軟白部)は根に近いほんの少しの部分が「茎(茎盤)」で、あとの部分は葉。正式な名前は「葉鞘(ようしょう)」といい、緑の部分は「葉身(ようしん)」という。生長に合わせて土寄せすることで日の光を当てず、葉鞘部を白く長く育てている。また、葉鞘部にはビタミンCが多く含まれ、葉身部はビタミンCやカルシウム、特にカロテンが多く含まれている。
◆独特の強い香りがネギパワ-
ネギの強い香りは"アリシン"という成分によるもの。タマネギを調理する際に出る涙もアリシンが原因。アリシンは体内でビタミンB1の吸収を高め、利尿、発汗作用を促す効果や強い殺菌力があるため、血液をサラサラにし、生活習慣病の予防に役立つといわれている。体温を高める薬効もあり、風邪を引く季節にはぴったりの野菜となっている。
(写真)関東の白ネギ
◆関東は白ネギ、関西は葉ネギ
関東では、千住ネギや下仁田ネギなどの「根深ネギ=白ネギ、長ネギ」が主流となっている。それに対し関西では、京野菜で人気の九条ネギを中心とする「葉ネギ=青ネギ」が主流となっている。
もともと耕土が深く、冬の寒さが厳しい関東地方に根深ネギ、温暖で耕土が浅い関西で葉ネギが栽培されていた。関東と関西では土質の違いにより栽培される種類が異なったこともあり食文化に違いが生まれたが、現在では人の移動や輸送の発達により、地域に関係なくどちらのネギも1年を通してスーパーなどで手に入るようになった。
(写真)関西の葉ネギ
◆ネギの原産地は中国
ネギの原産地は、中国西部あたりだと考えられている。元来は温帯の野菜だが、耐寒性・耐暑性ともに強く、極寒のシベリアから華南など亜熱帯地方まで分布している。中国では太ネギ・葉ネギ・中間型の兼用種と3群に分けられており、それぞれの地方から日本に導入されたことで千住群・九条群・加賀群に分布したという説がある。
御輿の飾りや橋の欄干の擬宝珠(ぎぼし)は、古くから親しまれてきたネギの花を型どって作られた。
(写真)橋の欄干の擬宝珠
◆ネギの種類
【千住群】
一文字黒昇り、金長、石倉一本太、ホワイトスターなどの白根の長い根深ネギは、明治初年に、金町村(現東京葛飾区)の特産として栽培されていた。当初は、分けつ制のあるものが一本ネギに改良され、大正に入ってからは、赤柄・黒柄・合柄に分かれた。
(写真)一文字黒昇り
【九条群】
約1000年前から栽培され、明治に至るまで京都府紀伊郡東九条村(現京都市下京区)を中心に栽培されていた。九条太、浅黄系九条などの分けつ制の葉ネギで、白根の部分は短い。
(写真)九条太
【加賀群】
松本一本、余目、下仁田などは、寒地系で冬季休眠するため、越年ネギとして利用されてきた。「岩槻」は分けつ制が強く、「下仁田」は非分けつ性で、軟白部は極めて短く太いネギとなっている。
(写真)下仁田
◆ネギの見分け方と保存方法
おいしいネギの見分け方は、葉身の部分が太く鮮やかな緑色で葉先までハリとツヤがあり、葉身部と葉鞘部の境目がはっきりしているもの。葉身の分枝部分の巻きがしっかりしていて、さわるとしまっていてかたく、葉鞘部は巻きがしっかりしていてツヤがあり、白くて健全な根のもの。
保存方法は、乾燥や水気で傷むため、水気をふき取り、新聞紙にくるんで冷蔵庫で保存すること。特に細ネギ は早めに使い切ることが肝心で、買ってからすぐ小口切りにして、冷蔵庫か冷凍庫へ入れるのがよい。
(画像)おいしいネギの見分け方
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