端境期に収穫できるイチゴ「そよかの」育成 農研機構2019年9月6日
農研機構は、青森県、岩手県、秋田県、山形県との共同研究により、イチゴ新品種「そよかの」を育成した。「そよかの」は、晩春から初夏に収穫できる大粒のイチゴで、寒冷地や高冷地における露地栽培、半促成栽培に向く品種だという。
イチゴは生食用、ケーキなど業務用として年間を通して需要があるが、6月?11月にかけては端境期で生産量が落ち込む。
東北地方や北海道などの寒冷地や高冷地では、その冷涼な気候を生かして、6月前後に果実を出荷する露地栽培や半促成栽培が行われており、イチゴの周年供給に寄与している。
しかし、栽培品種は、収穫期後半の果実の小粒化や形の乱れ、果皮色の黒変などの問題があり、それらを改良したイチゴ品種が望まれていた。
このため、農研機構東北農業研究センターは、青森県、岩手県、秋田県、山形県との共同研究により、イチゴ新品種「そよかの」を育成した。
(写真)株の中心部から葉が立ち上がる「そよかの」
「そよかの」は、多収性で極晩生の「豊雪姫」(とよゆきひめ)を母とし、食味が良く果実が硬めで、うどんこ病レース0抵抗性をもつ「かちのか」を父とした交配を2008年に行い、選抜により育成した。極晩生の一季成り性(いっきなりせい)イチゴで、果実は平均16g程度と大粒。果実の形の揃いが良く、多収。果皮は明るい赤色で、収穫後の黒変はない。
品種の名前は、初夏に、そよかぜの吹き渡る野で収穫できるイチゴのイメージから命名された。
月別のイチゴの卸売数量と価格。「そよかの」は流通量が落ちる6月前後に収穫ができる
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