高糖度トマトの可販果率向上に成功2020年2月13日
農業支援と青果卸売業務を展開するHappy Quality (静岡県浜松市)は、静岡大学との共同研究で、AI(人工知能)の判断に基づく灌水制御により、平均糖度9.46の高糖度トマトを高い可販果率(95%)で生産することに成功した。
栽培実験の様子
同社は、高齢化に伴う農家の減少、新規就農者が技術の未熟さゆえに低所得を脱却できないなど農業界における社会課題に対して、AIなどのテクノロジーを活用することにより高品質・高機能な農作物を誰でも安定的に栽培することができる栽培技術の確立をめざしている。
トマトは栽培過程で適度な水分ストレスを与えることで高糖度な果実を栽培できることが知られている。今回の研究では、2017年度に植物の水分ストレスは植物のしおれ具合から把握できると仮定し、低解像度の草姿画像や温度、湿度、明るさといった比較的収集の容易なデータを使って、植物の茎の太さ(茎径)の変化量を高精度に予測するAIの研究開発に成功。続く、2018年度の共同栽培実験で、AIの判断に基づく灌水制御によって高糖度な中玉トマトを低負担かつ大量安定生産できることを実証した。
今年度は、AIの判断に基づいた灌水制御では平均糖度9.46の高糖度トマトを、バラつきを抑えて容易に栽培できることが示された。さらに、急な天候変化に追従した適切な灌水制御によって、従来の日射比例方式による灌水制御に比べ果実の裂果を大幅に減らし、高糖度トマトを高い可販果率(95%)で生産できることも確認した。
中玉トマト低段密植養液栽培実験の結果
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