ミツバチとヒマワリで地域産業創出ー 渥美半島でミツバチ花畑プロジェクト始動 シンジェンタジャパン他2021年7月27日
愛知県田原市の「伊良湖菜の花ガーデン」で連続咲きのヒマワリ品種「サンフィニテイ」が見頃を迎えている。このヒマワリ畑は農業、観光などの関係者が立ち上げた「渥美半島ミツバチ花畑プロジェクト」の一環で、養蜂家と耕作放棄地問題に取り組んでいるシンジェンタージャパンも参画している。7月21日には、ヒマワリ畑に関係者らが集まり、プロジェクトの概要や今後の方針について意見交換を行った。
ミツバチの蜜源となるヒマワリ
同プロジェクトは、生産量日本一を誇る田原市の花に着目し活動を展開。地域の資源になっている花を通じ、農業、観光、環境分野の課題解決に取り組み、そこから新たな地域産業を創出し、持続可能な地域づくりを推進する。
プロジェクトリーダーは、あつまるタウン田原の石黒功専務(イノチオホールディングス社長)が務め、メンバーには渥美半島観光ビューロー、NPO法人田原菜の花エコネットワーク、渥美郡養蜂組合、アグリトリオ、シンジェンタジャパンなどが参加している。
「渥美半島ミツバチ花畑プロジェクト」メンバー(前列右:シンジェンタジャパン的場社長)
プロジェクト第1弾では、1月~3月にかけて菜の花が咲き誇る「菜の花ガーデン」の裏作として、広さ約1ヘクタールのうち、約0.7ヘクタールにシンジェンタジャパンが開発し、FSブルームが販売する100輪咲きのヒマワリ品種「サンフィニティ」を定植した。サンフィニティは一つの茎から数十の花が連続的に咲く特性があり、一般的なヒマワリに比べ小ぶりな花を咲かせる。現在約8500本が満開を迎えており、8月中旬まで見頃となっている。
花の開花期間が長くなることで、農作物の花粉送粉者(ポリネーター)として重要な役割を果たすミツバチの蜜源にもなる。プロジェクトでは渥美郡養蜂組合と連携し、ヒマワリ畑から約300m離れた場所にセイヨウミツバチの巣箱を設置している。同養蜂組合の河合勇樹氏は「花が少ない夏は花粉と蜜が減り、気温も高いためミツバチにとって三重苦の季節を迎える。連続咲きのヒマワリが蜜源となることで、夏場の栄養不足改善につながると思う」と説明。ハチミツの商品化にも意欲を示し、観光事業への貢献に意欲をみせた。
新たな観光資源としても期待がかかる
シンジェンタジャパンの的場稔社長は、近年欧州や米国でミツバチの減少が見られ、日本でも農作物の花粉交配用ミツバチの不足が問題となっていることに触れ、「その原因は各国でさまざまで病気や農薬被害、ミツバチの質的劣化などが挙げられているが、特にミツバチの体力を支える資源不足が問題視されている」と指摘。「年間を通して花のある環境が整い、ミツバチが増えれば、生態系の維持や多様性につながる」と話し、プロジェクトの活動に期待を示した。
観光ビューローの中村匡専務理事は「夏の新たな観光資源として手ごたえを感じている。今年の成果をしっかり検証し、来年につなげていきたい」と語った。
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