雹被害で次世代型農業の生産者がCFでプロジェクト開始 ファームサイド2022年6月20日
若手農業者で構成される株式会社ファームサイド(埼玉県本庄市) は6月17日、クラウドファンディングのCAMPFIREで、降雹被害からの復旧と次世代型農業の為のプロジェクトを開始。同社は、6月2日に埼玉県、群馬県で発生した大粒の雹により、国内最先端の設備を導入しているミニトマトの栽培ハウスなどが大きな被害を受けた。屋根に無数の大きな穴があき、張り替え工事が必要になっており、雹害からの復旧などに向けて支援を募っている。目標金額は500万円。
今回の雹害で埼玉県内の被害額は38億円となり、降雹被害としては過去最大となった。新型コロナや世界情勢などにより原油高、資材の高騰などで厳しい経営を農業界全体が強いられている中、食料安全保障が叫ばれる昨今の情勢で農業を支える担い手が災害を乗り越えられるよう、多くの支援を必要としている。ファームサイドは今回の雹により、ミニトマトで55アール、小麦4ヘクタール、ねぎ1.3ヘクタール、なす25アールの被害を受けた。
同社は、「量より質」を合言葉に、長く土を使った昔ながらの土耕栽培という方法でミニトマトを育ててきた。取引先は人形町今半や、オイシックス・ラ・大地など品質にこだわりのある業者に納品している。一方、これからの農業や栽培方法を考える中で、施設栽培の最先端であるオランダ農業に興味を持ち、土を使わない養液栽培を開始。栽培が始まって1年目から本場オランダの栽培コンサルタントも認める結果を出し、今季は2作目の途中で、すでに全国でもトップクラスの実績が出ている。省力化、軽労化、データに基づいた理論的な栽培管理が可能となり、若者や未経験者でも結果が出せる農業が見えてきた。
今回の雹被害は、新しい農業のカタチの一つだと確信を持ち始めていた矢先に発生。施設には通常の雹なら穴は開かない強度が高い被覆資材を使っていたが、車の窓ガラスも割れた今回の雹には全く通用せず、大きい雹の塊は、ゴルフボールやタマゴくらいの大きさで凄まじい数分間の出来事だった。
ビニールハウスの降雹の被害は本来なら保険などである程度対応するものだが、同社は契約間近の段階での降雹となり、契約が済んでいた一部のビニールハウスを除き大部分の張り替え工事が実費となってしまった。保険契約をもっと急ぐべきだったという反省はあるものの、「未来への可能性をここで諦めるわけにはいかない」という思いからプロジェクトの実施を決めた。同社は、「このプロジェクトをきっかけにファームサイドの挑戦をより多くの方達に見守っていただけるチャンスでもあると思っています」としている。
◎クラウドファンディング リターン一覧
3000円:「うまミニトマト」1kgまたは「トマトベリー」800g
5000円:「うまミニトマト」1.5kgまたは「トマトベリー」1.2kg
5000円:リターンなし
1万円:「うまミニトマト」3kgまたは「トマトベリー」3kg
2万円:【ねぎとミニトマト】ねぎ10kg「うまミニトマト」または「トマトベリー」
3万円:【お届け&ご来園コース】
3万円:【毎月お届けコース】
5万円:【お届け&ご来園コース】
5万円:【毎月お届けコース】
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