人工光型植物工場で「高鉄分レタス」量産化技術を確立 旭テクノプラント2022年7月27日
旭テクノプラント(岡山県倉敷市)は、人工光型植物工場での栽培において、露地栽培のレタスと比べて生鮮重量当たりの鉄分の含有量を約5倍~約10倍に高めた「高鉄分レタス」の量産化技術の確立に成功。近日の販売開始を予定している。
生食のサラダでより多くの鉄分が摂れる「高鉄分レタス」
同社は、2014年から植物工場に関する調査を始め、2016年から商業生産を開始。現在は「倉敷れたす」をノーマルブランド、「Dr.Commit」を高機能野菜ブランド、として岡山県内を中心に出荷し、地産地消型の植物工場として生産・販売している。2020年からは、自社植物工場に併設する実験室で実証実験を始め、量産化技術を開発した。
「高鉄分レタス」は、秋田県立大学が保有する特許をベースに、植物工場での生産に独自技術で適応させ、量産化したもの。同特許申請時の秋田県立大学内での研究では、ベビーリーフ等の品種による栽培試験で、2.0mg/100mg以上の鉄分含有量を確認していたが、リーフレタスにおいても一般的に市販されているサイズまで栽培。さらに、生産性を重視し栽培速度を早めた場合、ベビーリーフ等と比較して鉄分の吸収量は少なく、1.0mg/100g程度であれば高含有量であると評価された。
今回、量産化に成功した「高鉄分レタス」の鉄分の含有量は、2.4mg/100gで、秋田県立大学における試験結果を大幅に上回る結果。同特許の出願に際し、研究に取り組んだ同大生物資源科学生物生産学科の小川敦史教授は「2.0mg/100g以上の鉄分含有量を維持しながら、市販されているリーフレタスのサイズまで育て、安定的に生産ができる技術は素晴らしい」と高く評価している。
鉄分が不足しがちな現代人が、生の野菜で手軽に鉄分を摂れるよう開発された「高鉄分レタス」。鉄分が豊富な「ホウレンソウ」は、茹でたり、炒めたりすると半分以上の鉄分が溶け出してしまうが、生で食すことの多いレタスなら、より多くの鉄分を手軽に摂れる。今後は、「Dr.Commit」の高機能野菜ブランドの生産ライセンスをFC化することを視野に、4種類の商品開発を進める。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日