"摘果リンゴ"地域挙げて有効活用 集荷作業が8月に入り本格化 JAみなみ信州2022年8月10日
JAみなみ信州と、みやげ菓子メーカーのマツザワ(長野県下伊那郡)は、リンゴ生産で国内2位の長野県における地域を挙げた資源の有効活用の取り組みとして例年、摘果した青リンゴを製菓原料として利用している。南信州地域のリンゴ生産者に呼びかけて集荷しており、今年の集荷作業が8月に入って本格化している。
摘果リンゴ受入作業風景
マツザワは、廃棄される摘果リンゴを受入れ、リンゴ生産者の夏場の手取り向上につなげようと、2010年から本格的に集荷事業をスタート。現在は約50戸の生産者から摘果リンゴを集荷しており、買取り金額は年間500万円を超える地域経済効果を生み出した。
摘果リンゴから作ったお菓子「りんご乙女」は、2019年には、補助金などを利用しない、永続的な自立した地域での取組みが評価され、農林水産省が推進する「食品産業もったいない大賞」も受賞。また、味覚に特化した国際コンテスト「国際味覚審査機構 iTQi」(ベルギー)では、14年連続の最高位3つ星を受賞している。毎年審査員の入れ替わるiTQiでの連続受賞は、とても難しいとされる中、日本の菓子において14年連続受賞は同製品のみとなる。
本来なら破棄されている摘果リンゴを主原料としながら、世界最高の味覚のお菓子と認められる「りんご乙女」だが、2020年からは新型コロナ感染拡大の影響を受け、「みやげが売れない」事態に陥った。集荷する摘果リンゴの量を30トンに制限することを余儀なくされたが、観光客の回復など、観光事業を取り巻く明るい兆しが少しずつ見え始めたことや、台湾など海外からのオファーなどもあり、今年は受入れ上限を50トンにアップ。地域を挙げての連携事業を深めていこうと取り組んでいる。
地域連携事業に参加するリンゴ生産者からは、「棄てられていたものが活かされてうれしい」「買い取っていただけてありがたい」「りんご乙女という素晴らしい製品を担当させていただけてとても光栄だ」など、取り組み開始から12年を経て重要な地域連携事業に育っている。
菓子用として受け入れる摘果リンゴの大きさは、55~72ミリで農薬取締法の基準をクリアした摘果リンゴのみ。買取り単価は1キロあたり60円と、加工用リンゴの買取り相場の2倍から3倍の価格で買い取っている。7月19日から始まった今年の集荷作業は、週2回のペースで9月まで続く。
地域連携により地元銘菓に育った「りんご乙女」
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(2025年1月1日付)2024年11月21日
-
【地域を診る】調査なくして政策なし 統計数字の落とし穴 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年11月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国家戦略の欠如2024年11月21日
-
加藤一二三さんの詰め将棋連載がギネス世界記録に認定 『家の光』に65年62日掲載2024年11月21日
-
地域の活性化で「酪農危機」突破を 全農酪農経営体験発表会2024年11月21日
-
全農いわて 24年産米仮渡金(JA概算金)、追加支払い2000円 「販売環境好転、生産者に還元」2024年11月21日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
JAあつぎとJAいちかわが連携協定 都市近郊農協同士 特産物販売や人的交流でタッグ2024年11月21日
-
どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第317回2024年11月21日
-
JA三井ストラテジックパートナーズが営業開始 パートナー戦略を加速 JA三井リース2024年11月21日
-
【役員人事】協友アグリ(1月29日付)2024年11月21日
-
畜産から生まれる電気 発電所からリアルタイム配信 パルシステム東京2024年11月21日
-
積寒地でもスニーカーの歩きやすさ 防寒ブーツ「モントレ MB-799」発売 アキレス2024年11月21日
-
滋賀県「女性農業者学びのミニ講座」刈払機の使い方とメンテナンスを伝授 農機具王2024年11月21日
-
オーガニック日本茶を増やす「Ochanowa」有機JAS認証を取得 マイファーム2024年11月21日
-
11月29日「いい肉を当てよう 近江牛ガチャ」初開催 ここ滋賀2024年11月21日
-
「紅まどんな」解禁 愛媛県産かんきつ3品種「紅コレクション」各地でコラボ開始2024年11月21日
-
ベトナム南部における販売協力 トーモク2024年11月21日
-
有機EL発光材料の量産体制構築へ Kyuluxと資本業務提携契約を締結 日本曹達2024年11月21日