「フラワー・オブ・ザ・イヤーOTA2023」最優秀賞は「秋色ミナヅキ」大田花き2023年11月22日
国内最大級の花き卸売会社の大田花き(東京都大田区)は、2023年のトレンドを反映する花を発表。国産と輸入品を合わせ20万点以上に及ぶ候補の中から、2023年のトレンドを反映する花4つとその生産者が「フラワー・オブ・ザ・イヤーOTA」として選出された。
左から、最優秀賞のアジサイ「秋色ミナヅキ」、優秀賞のグロリオサ「ZEN」、
特別賞のストック「ヴィンテージブラウン」、新商品奨励賞のキイチゴ「いろは」
「フラワー・オブ・ザ・イヤーOTA2023」に選出された4点は、コロナ禍で定着したギフトや自宅用など個人需要と、ポストコロナで回復基調の業務需要(イベントや葬儀婚礼など)の両輪が回り始めた業界トレンドが反映された結果となった。また、昨今のファッションでもトレンドとなっているくすみカラーやマゼンタカラーが、花きの人気トレンドとしてもキーワードに挙げられる。そのほか、透け感や季節感、ドライな質感などが挙げられ、今回の受賞品種はこれらの項目をそれぞれに満たし、需要をキャッチたものとなった。
最優秀賞に選ばれたのは、利根沼田農協アジサイ部会(群馬県片品村)のアジサイ「秋色ミナヅキ」。開花当初は白いミナヅキの花が、時の経過とともにグリーンからアンティークカラー(くすんだピンク)を経て、色濃いマゼンタカラーに変化する。ピラミッドを思わせる円錐状の花序は大きいもので全長40センチを超え、マゼンタカラーに色付く様は、圧倒的な存在感。他に類を見ないボリュームで、多くのデザイナーや生花店にファンも多く、季節限定で楽しめる風物詩として評価が高い。ポストコロナで回復基調の業務需要で重宝されたほか、自宅需要として上昇中の枝物ニーズも捉え、支持を得た。
「秋色ミナヅキ」のうち利根沼田農協アジサイ部会の流通シェアは7割以上に及ぶ(大田花き、2023年)。標高700~1000メートルの地域で暖房を使わず、持続可能な農業生産を継続。国内の花き生産は減少傾向の中、毎年出荷量を伸ばしている。
このほか、優秀賞はJA愛知みなみグロリオサ出荷連合(愛知県田原市)のグロリオサ「ZEN」、特別賞は、余目町農協花き部会(山形県東田川郡)のストック「ヴィンテージブラウン」、新商品奨励賞は株式会社F.U. KAGAWA(香川県木田郡)のキイチゴ(枝物)「いろは」が選ばれた。
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