恵まれた自然とハイテク技術を駆使 最高級マスクメロン栽培に挑戦 近澤メロンランド2023年12月13日
近澤メロンランド(高知県)は、恵まれた自然環境とハイテク技術による分析技術を活用し、甘く美しいメロンが育つ生育環境を整えた。農家直販の利を活かし、最もおいしいタイミングで最高級マスクメロンを届ける取り組みに挑戦している。
近澤メロンランドの近澤朋成代表
メロンは高価なイメージがある一方、生産者には収益性のよい作物ではなく、農林水産省の統計では、全国のメロン農家の平均的な粗収益は年間125万円。
経営費を引いた所得は57万円となり、露地栽培の野菜に大きく劣る。
ハウスや暖房費のコストがかさみ、技術に投資できる状況ではないというのがメロン農家の実情だ。
近澤メロンランドは、民間の専門機関に長年勤め、環境分析技術を習得した二代目の近澤朋成代表がメロン農業を継承。初代が培ったノウハウや経験を、科学のよって洗練しメロン栽培の高みを目指している。
ハウスの空調設備
メロンの品質を決める要因は、光・土・水・空気の4つ。このうち光は人がコントロールできないが、近澤メロンランドは年間日照量が全国2位の高知県に農場を構えているという利点がある。
また、メロンの生育に大きな影響を与える土・水・空気のコントロールについては、例えば土壌分析では、農家で一般的な7つの項目(pH,EC,窒素・リン酸等)だけでなく、その他元素を含む15項目以上をチェック。
液肥は各種アミノ酸など成分レベルで統制し、分析の解像度を高め、メロンの品質を高めている。さらに、一般的にメロンは1本の木に3個ほど実をつけるが、1個だけ残すことでうまみを凝縮。
また、近澤メロンランドのメロンは、パフェやケーキのパティシエやプロの料理人に使われており、そのレビューを次の育成にフィードバックしている。
メロンは収穫後に数日寝かせると果肉がやわらかくなり食味が増すフルーツ。農家直販により食べごろの時期に届けるため、うまみ・香りが最高に達するタイミングで食べられるよう心掛けている。
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