冬にとれる春キャベツ「早春キャベツ」が最盛期 神奈川県横須賀市2023年12月20日
キャベツの出荷量が全国8位を誇る神奈川県横須賀市では、特産の「早春キャベツ」が最盛期を迎えている。
スカジャンのロゴ入りダンボールで出荷される「横須賀キャベツ」(左)、
「早春キャベツ」を生産する「JAよこすか葉山冬・春野菜出荷部会」会長のHARADA FARM 原田伸也さん
三浦半島に位置する横須賀市は相模湾と東京湾に囲まれた温暖な地域で、一年を通じて種類豊富な農水産物がとれる。
横須賀市は1966年からキャベツの指定産地(野菜生産出荷安定法(昭和41年法律第103号)の規定に基づき、指定野菜の出荷が行われる一定の生産地域。その出荷の安定を図るため当該指定野菜の集団産地として形成することが必要と認められた、農林水産大臣が指定した産地で、キャベツの出荷量は全国8位(令和3年度作物統計調査)を誇る。かながわブランドの「横須賀キャベツ」は、高い栽培技術や出荷時の検査体制などで高品質な出荷を維持しており、市場からの評価も高い。
中でも「早春キャベツ」は、横須賀ならではの特産品の一つ。冬場でも温暖な気候の横須賀市では、他産地で春キャベツとして栽培されている品種を冬に作ることができ、他産地よりもいち早くとれる春キャベツであることから、「早春キャベツ」と呼ばれている。
一般的にスーパーなどで冬場に売られている寒玉キャベツなどは、葉が固くギュッと詰まった加熱向きのキャベツだが、横須賀のキャベツは真冬にとれるものでも、春キャベツのようにみずみずしく柔らかい。温暖な環境とともに、冬場に春キャベツを作れるようになった背景には、長年にわたる生産者とJAの努力も大きい。堆肥をたくさん使った土づくりを研究し、土にあった品種を選抜するなど、様々な試行錯誤を乗り越えて今の「早春キャベツ」が作られている。さらに、「JAよこすか葉山の冬・春野菜出荷部会」では、キャベツの害虫対策として捕獲機(フェロモントラップ)を使うことで農薬の散布回数を減らす「環境保全型農業」を実践している。
全国に広がる「横須賀キャベツ」の人気
横須賀のキャベツは古くから評価されていたが、「三浦半島産」として認識されていたため、横須賀に「キャベツ」のイメージはそこまで普及していなかった。そんな中、スカジャンマークの「よこすか野菜」ロゴが生まれ、横須賀のキャベツはこのロゴ入りダンボールに入れて出荷されるようになると、市場で「スカジャンのロゴ入りダンボールのキャベツは美味しい」と話題に。それまでイメージのなかった「横須賀キャベツ」が高く評価され、現在でも根強い人気が続いている。
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