「スナップえんどう」出荷量急増 栽培しやすさと安定した価格で人気 農業総研2024年4月8日
全国の都市部を中心としたスーパーマーケットで「農家の直売所」を運営する農業総合研究所は、旬を迎えているスナップえんどうの今年の傾向について調査。2023年11月1日〜2024年2月29日の期間、同社が全国2000店舗以上のスーパーマーケットで展開する「農家の直売所」と産直卸での販売データ、および、スーパーマーケット担当者や生産者へ直接のヒアリングを基に結果をまとめた。
同調査で、「農家の直売所」の出荷データを調べたところ、2023年11月から今年1月のスナップえんどうの出荷量はその前の年と比べて、125.0%と大きく伸びていることが明らかとなった。スナップえんどうが登場したのは1970年代。それまでサラダや弁当で主に使われていたのは絹さやえんどうやいんげんだが、豆類のなかでも近年は、スナップえんどうの人気が高まってきている。
生活者から人気の理由は、「さやごと食べられる」という食べやすさや、筋を取ってゆでるだけで調理できるため、忙しい人や弁当の具材として助かる存在となっている。一方、生産者から見たスナップえんどう人気の理由は、同じ収穫にかける時間でスナップえんどうは絹さやえんどうの3倍以上収穫できること。生産者の高齢化が進むなか、収穫作業の軽減は生産者の大きな課題となっており、収穫作業の負担が少ないスナップえんどうは、生産者にとってもありがたい存在といえる。
また、絹さやえんどうは、おせち料理に欠かせない素材であるため、毎年12月に価格が高騰する傾向で、正月を過ぎると価格は急降下。価格変動が小さいスナップえんどうのほうが、生産者の経営は安定する。さらに、スナップえんどうは寒さに強く栽培しやすいことも人気の理由。代表的な豆類のいんげんの場合、比較的温暖な気候を好むため、冬に栽培するには温度調整が必要となるが、暖房費が著しく上昇しているため、生産者は同じ豆類でも、いんげんよりスナップえんどうを好んでつくるようになっている。
実際、同社の「農家の直売所」の出荷データによると、2023年11月のいんげんの出荷量は前の年と比べて183%と大幅に増加。暖冬の影響で冷害が少なかったため、収穫が増えたと考えられる。
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