暖冬、ひょう、カメムシで梅が歴史的不作 収穫半減で価格高騰 農業総研2024年7月23日
全国の都市部を中心としたスーパーマーケットで「農家の直売所」を運営する農業総合研究所は、旬を迎えた梅の5月〜6月の販売動向をまとめた。調査は5月1日~7月9日、同社が全国2000店舗以上のスーパーマーケットで展開する「農家の直売所」の販売データのほか、生産者へヒアリングを実施した。
3月に雹で多くの梅が傷ついた
今年の梅の販売数は、歴史的な落ち込みとなり、2023年と比べて、5月は56.0%、6月は66.2%の収穫にとどまっている。収穫量の減少に伴い、価格も上昇。2023年5月は644円だったのが今年は746円と115.7%に、同6月は646円だったのが今年は907円と140.4%に達している。
歴史的不作の一因は暖冬で受粉困難になったこと。日本最大の梅の産地である和歌山の主力品種・南高梅は自家受粉できない品種で、違う品種の梅の花粉をミツバチに運んでもらい、受粉して初めて実がなる。今年は暖冬だったため、例年より大幅に早く南高梅は開花したが、暖冬で他の梅の品種と開花時期がずれてしまい、受粉できなくなった。
また、暖冬によりカメムシなど害虫が増加も不作に影響した。通常、冬の寒さでカメムシの数は減少するが、暖冬により例年より多くのカメムシが冬を越した。その結果、例年以上のカメムシが梅を襲い、さらに、カメムシ以外の害虫も暖冬で多く生き残ったことで、梅の木を侵食した。さらに、歴史的不作の原因として、日本一の梅の産地・和歌山で3月に雹が降ったことも影響。雹により多くの梅が傷つき、売り物にならなくなった。
6月の梅干しの価格は、2023年とほとんど同じ。梅干しは1年など長期間かけて作られるため、今年の不作が即、価格に反映することはないが、これから今年収穫の梅に置き換わっていくに従って、徐々に梅干しの価格も上昇していくものと見られる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日