「深谷ねぎ」出荷時に廃棄される葉からプラスチック製品を試作 埼玉工業大学2024年10月21日
埼玉工業大学工学部生命環境化学科(環境物質化学研究室)兼クリーンエネルギー技術開発センター長の本郷照久教授の研究チームと同工学部機械工学科(成形技術研究室)福島祥夫教授の研究チームは、出荷時に破棄されるネギの葉を資源化し、生成したバイオプラスチック材料を成形加工する技術を開発。その試作品として、「深谷ねぎ」をモチーフにした箸置きを作製した。
左から、ネギの葉、セルロース、樹脂ペレット
ネギの葉の資源化プロジェクトにおいて本郷教授の研究チームは、環境化学および物質化学の専門化として、ネギの葉からセルロースを抽出する技術を確立。ネギの葉から抽出したセルロースは、パナソニック プロダクションエンジニアリングの技術協力により、kinari技術を活用して、複合樹脂ペレット化(ネギ由来セルロース:55%、ポリプロピレン:45%)された。
一方、福島教授の研究チームは、成形技術の専門家として、ネギ由来セルロースの複合樹脂を石油由来樹脂と同様に成形する技術を開発。さらに、本郷研究室の学生のアイデアを活かし、ネギ由来セルロースの複合樹脂から、「深谷ねぎ」をモチーフにした箸置きを作製した。
深谷ねぎをモチーフした箸置き
深谷市は「深谷ねぎ」の産地として全国的に有名で、年間約3万トンを出荷する日本一の生産地。「深谷ねぎ」は収穫後、専用の段ボールに梱包して出荷され、販売店の店頭に並ぶ際、ねぎの先端が規格に合わせて切り落とされるが、深谷市ではその量が年間約6300トンと概算され、大部分が畑に破棄されている。ネギの葉は腐敗すると悪臭が発生するため、その対策として、作物残渣である、ネギの葉を有効利用するための技術開発が望まれていた。
今回の技術開発により、大量に破棄されているネギの葉を資源として有効に活用することが可能になる。また、石油由来のプラスチック製品のゴミによる海の汚染や海洋生態系への悪影響が問題化する中、地球環境問題の改善に貢献することが期待できる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(150)-改正食料・農業・農村基本法(36)-2025年7月12日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(67)【防除学習帖】第306回2025年7月12日
-
農薬の正しい使い方(40)【今さら聞けない営農情報】第306回2025年7月12日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 茨城県2025年7月11日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月11日
-
【注意報】果樹に大型カメムシ類 果実被害多発のおそれ 北海道2025年7月11日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 福島県2025年7月11日
-
【注意報】おうとう褐色せん孔病 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】出会いの大切さ確信 共済事業部門・全国共済農協連静岡県本部会長 鈴木政成氏2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】農協運動 LAが原点 共済事業部門・千葉県・山武郡市農協常務 鈴木憲氏2025年7月11日
-
政府備蓄米 全農の出荷済数量 80%2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA加賀(石川) 道田肇氏(6/21就任) ふるさとの食と農を守る2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA新みやぎ(宮城) 小野寺克己氏(6/27就任) 米価急落防ぐのは国の責任2025年7月11日
-
(443)矛盾撞着:ローカル食材のグローバル・ブランディング【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月11日
-
【2025国際協同組合年】協同組合の父 賀川豊彦とSDGs 連続シンポ第4回第二部2025年7月11日
-
米で5年間の事前契約を導入したJA常総ひかり 令和7年産米の10%強、集荷も前年比10%増に JA全農が視察会2025年7月11日
-
旬の味求め メロン直売所大盛況 JA鶴岡2025年7月11日
-
腐植酸苦土肥料「アヅミン」、JAタウンで家庭菜園向け小袋サイズを販売開始 デンカ2025年7月11日
-
農業・漁業の人手不足解消へ 夏休み「一次産業 おてつたび特集」開始2025年7月11日
-
政府備蓄米 全国のホームセンター「ムサシ」「ビバホーム」で12日から販売開始2025年7月11日