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精神障害者の自立と活躍へ 農福連携で新たなモデル提供 ゼネラルパートナーズ2025年1月15日

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障害者専門の人材紹介事業を行っている(株)ゼネラルパートナーズは、自社で雇用した精神障害のある従業員が菌床シイタケの栽培から販売までに主体的に取り組む農業生産事業「アスタネ」をモデル化し、他企業の障害者雇用の新しいかたちとして提供する事業を展開する。2025年11月の本格稼働をめざしている。

菌床シイタケ栽培で農福連携

菌床シイタケ栽培で農福連携

「アスタネ」は「精神障害者の活躍モデル確立」を理念に2015年に埼玉県さいたま市に開設した同社の自社雇用事業で、精神障害がある約30人の従業員がチームを組んで菌床シイタケの栽培管理から、パック詰めと量販店など40店舗への配送まで取り組んでいる。

うつ病、統合失調症、双極性障害など精神障害を持つ人がほとんどだが、出荷まで約2週間という
サイクルのため成果を実感しやすく「やりがいや自己肯定感につながり、作業員というイメージではなく、ほぼ100%の作業に従業員として主体的に取り組んでいる」(齋藤功一アスタネ施設長)という。

年間生産量は100トンで県内有数の出荷量となり、売上高は2022年度に1億円を超えた。昨年1月にはさいたま市の認定農業者となるなど、精神障害者の雇用の場であると同時に、地域に必要とされる農業者にもなっている。また、保育園や地元のイベントへの参加など地域との交流にも積極的に取り組んでいる。

同社は今年、こうしたシイタケ栽培技術と障害者が自律的に働ける仕組みや雇用マネジメントなどを体系化し、他企業の障害者雇用の一つのかたちとして提案、同社が導入をサポートする「atGPアスタネモデル」を展開する。

具体的には同社がハウスを用意しレンタル、障害者の採用代行と研修、社員への障害者雇用についての研修など、初期コストはハウスのレンタル料、研修費用など600万円程度(雇用する障害者4人程度)を設定、事業開始後も働く障害者とモデル導入企業が自立できるよう多面的なサポートを行う。

【野沢校正済】〈画像 写真〉(野沢)農福連携 アスタネモデル提供-2.jpg

一方で栽培されたシイタケは当面は販路を持っている同社が買い取る。フランチャイズ形式で「アスタネ」の2店舗目、3店舗目を他企業とともに広げていくイメージを描く。現在、食品製造企業と設備関連企業など複数社がこのモデルの導入を検討、同社はハウス建設の準備を進めるなど、11月の本格稼働をめざしている。

精神障害者の数は2023年で614万人と10年前の倍になっている。一方、同社によると精神障害者の就職申し込み件数は2018年から23年の5年間で113%に増え、就職件数も122%になったという。働きたい精神障害者の増加とともに、活躍の場づくりが課題となっているが、企業では精神障害者をどう雇用すべきか、ノウハウ不足も指摘されている。

今回のモデルを同社は「精神障害者の活躍と農業を融合した農福連携の新たな形」と位置づける。進藤均社長は「障害者が戦力になる社会へ今後も活躍モデルを提供していきたい」と話している。

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