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農業協同組合研究会 |
「合併農協の課題 −参加型運営のトライアル」 営農経済渉外員を軸に組合員の声を聞く |
また、バランスのとれたJA経営をめざし、農産物販売では、合併当初の販売高251億円が現在では238億円になったものの、米の販売額の落ち込みを青果物の努力でカバーしている実績となった。 合併のメリットとしては、労働生産性の向上や、規模効率が信用・共済事業で現れたことがある。たとえば合併前にくらべて貯金は290億円伸びた。また、金融・共済の事務も高位平準化した。合併によって高齢者福祉事業など新しい事業分野に取り組むこともできた。生活関連事業が黒字化しているのは、介護保険制度のスタートに合わせ高齢者福祉事業に取り組んだことが大きい。 一方、合併によるデメリットと感じているのが、集落座談会への出席者減少など組合員や各種の組織との結びつきが弱くなったこと。また、役員数の減少で地域代表としての機能も低下しているのではないか。 農産物販売では一元化をめざしたが、一律対応では地域のユニークな取り組みが生まれてこないという面もある。 そこで組合員との結びつきを強める一環として、営農経済渉外員制度を導入した。これまでは、職員が訪問するのは共済、貯金、購買などの推進のとき、というイメージを組合員に持たれているので、それを変えるため、営農経済渉外員には、推進はしなくていい、まずは顔を出せと言っている。対象は認定農家などだがJAとの関わりでいえば5〜6割を占める。そういう組合員から、意見要望などを聞いてくる、という役割だ。それが評価され組合員からは、JAに自分の意見を言える場ができた、推進をしない職員に初めて会うことができた、という声も聞かれるようになった。 そのほか生活活動刷新方策を策定し、総合企画部に女性組織の事務局を置き、女性部員の減少に歯止めをかける取り組みも提案した。やらされる活動からやってみたい活動へと転換を図り、自主的にもっと楽しい活動ができるような組織をめざしている。また、女性の正組合員数2000名を目標に推進し現在600名まで増えている。女性総代枠も30人つくることになった。 今後は18支所を各市町1支店、計6支店とする再編が合意され具体化する。一層の渉外活動の強化のため、現在70人のLAを100名に増やす予定。施設の利用についても地域に望まれる活用を考えていきたい。
JA糸島(福岡県)の取り組みを紹介し「参加型運営」をどう実現するかを提言したい。 |
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(2006.12.4) |
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