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コラム

 病む少年たち

 ま、少年たちの心に何が起きているのだろうか。ゴールデンウィークの最中に、衝撃的な事件が相次いで起きた。愛知・豊川の高校3年男子の主婦殺人。今度は17歳男子の高速バス乗っ取り事件。少し前には、名古屋市で少年たちの5千万円もの恐喝事件があった。もっと遡れば神戸の連続児童殺傷や栃木・黒磯市の女性教師刺殺、等々。

 ぜ、彼らが凶器を手にし、暴力をふるい、いとも簡単に人を殺すのか。彼らのここまでの人生は若干の違いはあれ、家庭と学校しかない。そこでの短い人生で何かがあり、限界にたっしたストレスのマグマが見知らぬ他人にまで、きばをむけたにちがいない。

 日発表した、総務庁「青少年の暴力観と非行」によると、「親や教師を殴りたいと思ったことがある」が高校男子で3割。「いじめ」の黙認は高校生の半数近く。「弱肉強食の今の社会では、いじめはなくならない」が高校生の7割。また、いじめは「大人や社会の風潮のせい」という。いま、少年たちが家庭と学校の両方でストレスを抱え、耐えている姿を如実に映しだしている。

 りわけ、いじめの背景が大人や社会の風潮のせいには、大人は素直に胸に手を当てよう。それにしても大人は弱すぎる、甘すぎる。バスジャック事件で、少年の母親が説得にきたのに「自信がない」と断念したという。5千万円もの恐喝事件も、加害者の少年たちは何こそいわんや、被害者の母親は子供にも加害者の少年たちにも甘い。

 父は稼ぐのが精一杯で家庭を返りみず、家庭教育の中心であるべき母親も自信がない。学校も、テレビで武田鉄也が演じる「金八先生」が受けるぐらいだから頼りにならない。『親がかりのままいつまでも社会に旅立とうとしない子供に、ただ衣食住を提供し続けるのは、保育というより「哺乳」の延長でしかない』(5日日経、春秋)。たしかに‥‥。
(だだっ児)


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