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特集 全農特集・生産者と消費者を安心で結ぶ懸け橋に |
検証 全農「新生プラン」 |
確実に動き始めた「新生プラン」 その到達点と今後の課題 |
生産者に分かりやすい情報の開示を ◆着実に進みだした「担い手」対応の強化 全農が10月3日に農水省に提出した「全農改革の進捗状況(9月末現在)」では、「改善計画の骨子」として次の7項目に整理し、これまでの到達点と今後の取組みについて報告した。それは、(1)「担い手」への対応強化、(2)流通コストの削減、(3)生産資材事業の改革、(4)組織のスリム化、(5)子会社の抜本的な整理合理化、(6)内部管理態勢の強化、そして7つ目として「改善計画」には書かれてはいないが上記の改革を実効性あるものにする舞台づくりともいえる「新たな事業体制・経営管理」の整備確立だ。これにそい到達点とこれからの課題を整理してみよう。 ◆手数料18億円相当分を引下げ生産資材価格に反映 2つ目の流通コストの削減は、従来、3000円/60kgかかっていた米穀の流通コストを20年産米までに2000円以内に引き下げるというもので、▽販売対策費の廃止▽運賃の徹底した削減交渉によって概ね20県本部で交渉が合意▽秋田県本部での競争入札による市場連動型運賃導入の試行実施(落札結果は10%程度運賃を削減)が実施されてきている。今後は、▽19年産米から手数料水準の引下げ(△10%)と定額制の移行▽市場連動型運賃導入による物流コストのいっそうの削減に取り組んでいく。 ◆事業を括りとした子会社管理方式の強化 子会社の要員削減と5つ目の県本部子会社も含めた子会社の再編合理化については、年内に会社別の再編方針を明確化する方向で検討がすすめられている。これは、7月の総代会で「新たな事業体制・経営管理の整備確立」、具体的には、従来の本部別収支均衡から、営農販売企画・米穀・園芸農産・畜産・生産資材・燃料生活の6事業部単位と県本部単位を組み合わせた経営管理体制に移行することを決めたが、各事業部がどのような事業展開をし、その中で子会社をどう位置づけるかを明確にすることが必要だからだ。 販売戦略の具体的な提示が信頼の鍵 ◆生産者に分かりやすくアピールすることが必要 以上大雑把に見てきたが、担い手対応や流通コスト、生産資材など、生産者と関わりが強い部分については具体的に動き出しており、一定の成果もあがってきている。しかし、農水省からは、全農改革が「現場から見えないという意見もあり、もっと現場から見える」よう改革の現場段階での実践を求められた。 ◆真価が問われる次期「3か年計画」 もう一つは「多少生産コストを下げてもらっても、作ったものを安定した価格で売り切ってくれなければ意味がない」「全農は本当に売ってくれるのか」という至極もっともな意見があることだ。生産現場から見れば、生産資材の価格引下げや全農自身の合理化、効率化ばかり目だって、全農が日本農業をどうしようとしているのか、国産農畜産物をどう販売していこうとしているのか、具体的な姿が見えないということだ。 |
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(2006.11.14) |
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