ダイコンは約6割が加工・業務用として消費されている。加工用ではたくあんなどの漬物、業務用では大根おろし、つま、切り干しなどの用途が多い。しかし、これらの製造過程や長期保存する際に、黄色く変色したり、硫黄臭を発したりするため、食品添加物を使うなどの対応が採られてきた。
このたびの共同研究では、こうした変質の原因がダイコンの辛味成分の元でもあるグルコシノレートのうちの1種である、4MTB―GSLという成分の化学変化にあることを突き止め、この成分をまったく含まない品種の育成に成功。同品種では、この成分の代わりにグルコエルシンというグルコシノレートが多く含まれ、辛みを保っている。
ただし、この品種は中間母本であり、このまま実用品種としては利用できない。現在、種苗会社とも共同して、同品種を基に実用的品種の育成を進めているが、8月21日に品種登録出願公表を受けたことで、研究試料としての提供も受け付けている。
問い合わせは農研機構野菜茶業研究所(TEL:050-3533-3815)まで。
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冷凍12ヶ月後の大根おろしの変色具合の比較
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