当期の売上高は、前年に比べて17億9500万円(4.4%)増の422億4500万円、営業利益は同5億7100万円(16.1%)増の41億1000万円、経常利益は同5億6400万円(16.9%)増の38億9900万円、当期純利益は同1億700万円(4.9%)増の22億8500万円だった。1株あたりの当期純利益は34.13円。
主力の農薬事業は、売上高が同5%増の376億円、営業利益が同32%増の36億円だった。増収増益の要因は、園芸用殺虫剤「フェニックス」が国内外で好調だったことと、それに伴うロイヤリティー収入の増加、農薬以外の事業の選択と集中などを進めたことなど。
国内での農薬販売は、全体的に病害虫の発生が少なかったことと当用期の天候不順などの影響で出荷実績はほぼ前年並みだったが、売上高は前年を上回った。特に園芸用殺虫剤「コルト」、「フェニックス」の拡販が効果をあげたほか、水稲用殺菌剤「ブイゲット」で新たに殺虫剤との混合剤(「ブイゲットフェルテラスタークル」など)を投入したことなどが大きな要因。
海外販売も前年を上回った。アジア地域での販売は韓国、インド、中国で病害虫の発生が少なかったため不振だったが、米国子会社のニチノーアメリカインコーポレーテッド(NAI)の販売が好調だった。
農薬以外の化学品では、シロアリ薬剤、水虫薬「ラノコナゾール」、「ルリコナゾール」などの販売が好調だったが、全体としては減収減益だった。
平成25年9月期は新たな中期計画「Shift for Growing Global 2015 成長へのシフト」の初年度となり、「フェニックス」のさらなる販売拡大などを図り増収を見込む。ただし、将来の事業拡大に向けた先行投資などに注力するため経常利益は減益、当期純利益は増益となる見込み。
次期の業績は、売上高425億円、営業利益38億円、経常利益37億円、当期純利益24億円と予想している。
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