いよいよ総選挙になった。政権選択の選挙といわれているが、2大政党の農政は似ていて、どう違うのかよく分からない。両党とも甘いことを言っていて、どちらを選択して政権を託せばいいのか分からない。だから、どちらが本当に信頼できるか、ということになる。そこで、2大政党のこれまでの実績を思い出しながら両党に要望しよう。
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自民党は、これまで国際競争力を強化する、といって大規模農家を優遇する選別政策をとってきた。だが政権公約では、この政策を改めたようで、小規模農家も支援すると言っている。しかし、支援は「意欲ある農家」に限定するという。「意欲ある農家」と「意欲のない農家」を、どのように選別するのかは分からない。だから選別政策は採らない、といっても疑いたくなる。この点の説明が不十分なままでは選挙に勝てないのではないか。
民主党は、その前身の社会党のとき、細川内閣の与党として米の輸入を自由化した。これを反省したようで、今度の政権公約では主要穀物の完全自給をめざす、とさえ言っている。しかし、その一方でアメリカとの貿易自由化を進める、とも言っている。その際、食糧自給率向上の政策を損なうことはない、というのだが疑いたくなる。米の義務的な輸入を止める、といえばこの疑いがすっきり晴れて、選挙で圧勝するかもしれない。
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もう1つ両党に要望したいことがある。それは、両党が描く農業の将来像だ。食糧自給率の向上は両党とも農政の最重要目的にしている。だが、そこへ行く道すじが分からない。具体的には米の減反をどうするのか、が中心の政策だろう。減反を永久に続けるのか、それで自給率を向上できるのか。それとも、減反は将来やめるというのなら、どのような道すじを通ってやめるのか。ここを明確にしてほしいものである。
(前回 農政の対立軸)