この表の中には、たとえば、農水相のように、TPP慎重派なのに紹介議員にならなかった議員もいる。これは、政務三役は紹介議員にならない、という慣例によるものだろう。政府は一体ということなのだろう。この点を考慮すると、国会の中の慎重派は、半数をはるかに超えている。
それでも、首相は前のめりになってTPP参加を決めるのだろうか。そうなれば、国権の最高機関である国会との対立は、抜き差しならぬものになるだろう。それは、国民との対立を意味する。
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この表を、やや詳しくみてみよう。東京、大阪などの大都市と、その周辺から選出された議員は、紹介議員にならなかった議員が多い。このことは、中央財界が、マスコミを使って、TPP問題を農業対商工業の対立、農村と都市の対立にしようとする政治活動の成果のようにみえる。
だが、多くの国民は、TPP参加問題はそれほど矮小な問題ではなく、国のかたちを変えるほどの重大問題であることを知っている。また、いったん参加して、嫌なら脱退すればいい、などという「坊ちゃま」たちが思いつくような、軽い問題でないことも知っている。
国会議員たちは、そのことに気づいている。だから過半数の議員がTPP参加反対の請願の紹介者になったのだろう。
(前回 TPP反対の請願を過半数の国会議員が紹介)
(前々回 TPP参加に前のめりの首相)
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