ここには、農業と医療の分野からの反対運動を分断しよう、とする首相の意図が、ありありと見える。
ここで明らかになったのは、コメは手の内のカードに残しておいて、交渉の成り行きによっては、犠牲にして捨てる、という意思を表明したことになる。
その一方で、11日の記者会見では、「美しい農村は・・・断固として守りぬき・・・」とも言っている。
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これには、2つの解釈がある。1つは、「美しい農村は・・・」は、口先で言っているだけで、首相には、そのつもりは全くない、という悪意の解釈である。
もう1つの解釈は、コメの関税を撤廃しても「美しい農村は・・・」は可能と首相が考えている、とする善意の解釈である。
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悪意の解釈によれば、首相は、大多数の国民の食糧安保の要求を無視し、犠牲にしようと考えていることになる。この解釈が的をえている可能性は、決して少なくない。だが、これは論外である。
善意の解釈は、TPPと農業は両立する、という考えが、その基礎にある。そのおお元にあるのは、先月25日に発表した、いわゆる農林漁業再生計画だろう。
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今後のTPP反対の運動は、この再生計画を徹底的に論破して、この考えが成り立たないことを、首相に自覚させることである。
それは、再生計画でいう大規模化と輸出産業化と6次産業化の、全面的な否定である。
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最後に、医療制度についての首相の発言に一言いっておこう。国民は、医療制度が・・・などという抽象的な交渉を拒否せよ、と要求しているのではない。今年の2月にアメリカが日本に要求した、「日米経済調和対話」の内容をTPPで繰り返すことを拒否せよ、といっているのである。
国民はこれまでのアメリカの度重なる「医療改革」の対日要求を日本が受け入れたことによって、医療と保健が修復できないほどに、破壊されつつあることを怒っているのである。
そして、今度はTPPの場で、アメリカが同様な対日要求を繰り返すことを拒否せよ、といっているのである。
(注)議事の録画ビデオ(音も出ます:始まってから48分頃)は・・・ココ
(前回 TPP反対の運動は、これからが本番だ)
(前々回 TPP問題で農協に悪態をついた元内閣官房長官)
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