イネはカドミウム集積力が高いため、日本人のカドミウム摂取のおよそ2分の1はコメによるものだ。西澤教授の研究グループは、植物を使って農地(土壌)を浄化する技術開発(ファイトレメディエーション)に取り組み、カドミウム高蓄積に関する3つの遺伝子群をマーカー選抜し、「たちすがた」に導入した。
実験では改良した同品種を3作栽培した後、土壌のカドミウム濃度は大幅に減少した。
西澤氏は、「既存の機械を使って稲ワラごと収穫することで、土壌からカドミウムを取り除ける。稲ワラはバイオエタノールの原料にもなるので、土壌を浄化しながらバイオ資源を作れる一石二鳥の技術だ」と紹介した。