man・人・woman

JAcom man・人・woman

一覧に戻る

【獣医 首都圏とんトン協議会・(株)パル・ミート顧問】
大井 宗孝 氏

 宮崎県での口蹄疫発生直後に現地入りしおよそ3週間、家畜の殺処分などを担当した。悲惨きわまる現場の状態を、「まるでSF映画の一場面のようだった」と話している。7月23日にパルシステム生協とJA全農が都内で開いた「―食と農による世直し運動で、日本の農業を成長させる緊急集会― 今こそ 産直の底力 めざせ『日本型畜産』」で、その経験や口蹄疫の現状を紹介した。

 集会で緊急報告「口蹄疫との闘い」を行った。現場の雰囲気や感染した家畜の生々しい映像を紹介すると、生産者・消費者ともに真剣な眼差しで食い入るように聴いた。
 宮崎県の口蹄疫発生区域では、外を歩く人はみな白い防護服を着て、至る所に消毒用の石灰が撒かれ自衛隊が待機しており、殺処分担当者の中にはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症し、一時的に言葉を話せなくった人もいたという。
 口蹄疫とはどういう病気なのか、なぜ殺処分が必要なのか、を感染力の強さやその影響、潜伏期間でも感染していくその特性など疫学上の観点から解説し、「無知や無関心で口蹄疫を風化させないでほしい。数年後、宮崎の口蹄疫があったから今の日本の畜産がある、と誇れるような畜産にしてほしい」と訴えた。 また、畜産農家の中には経営再建を望む声も多いが、数年間は無収入の状態が続くため、「義援金、宮崎県産品の購入、応援メッセージなど、農家への継続的な支援をしてほしい」と集まった生産者・消費者に呼びかけた。

口蹄疫とたたかう生産者を応援しよう! 耕畜連携の推進で緊急集会

(2010.08.04)