「世界中で社会の危機が深まり、多くの国が自分たちの未来を描けないという事態に追い込まれているが、そのなかで協同による地域づくり、人々の幸福のために公共性、公益性を重視しながら、さまざまな経済活動を再構築すべきだ、というのは世界の人々の共通の想いだ」とし、国連が2012年を国際協同組合年としたのはそういった想いの現れだと述べた。
佐藤教授は「協同活動のためには教育文化活動が最大の基盤になる」と提言し、また歴史的に人々の暮らしが危機に陥ったときには必ず「農による教育」が叫ばれたという。
例えば、フランス革命に影響を与えたルソーは、「自然に帰れ、農に帰れ!」とヨーロッパの人々に呼びかけた。日本でも鳥取県倉吉で全村教育運動が興り、産業組合学習、協同教育、子どもたちへの労作教育を行った。
この労作教育は現在、地域で取り組んでいる「あぐりスクール」とほとんど同じ手法だったと述べた。