杉山氏は通信機器や半導体のメーカーで働いていたが、その経験をもとに50歳を過ぎてから宮崎県綾町に移住し果樹専業農家に転身。『農で起業する!』『農!黄金のスモールビジネス』などの著作もある。
「朝から晩まで身を粉にして働いたり、面積当たりの収量を最大にするなどの前世紀的な考え方ではなく、ゆとりを持って脳を活用して働く、時間当たりの生産性を最優先に考えるといった21世紀的な考え方で農業をやれば、楽しく余裕のある経営ができる」と話す。
そのために大切なのは詳細なシュミレーションと徹底した経営管理だ。通常の農業経営は経費率が7割ほどだが、これを半分にできれば収益は2.5倍になると徹底して経費を圧縮。ハウス、農薬・肥料、事務費、人の稼動など、18年間かけてそれぞれ経費削減率8割以上を実現している。「ものづくりに100%集中するのではなく、経営4割、販売4割、ものづくり2割」が基本だという。