氏は学会の発足について「農業者を主労働である草取りから解放し、農業の労働生産性向上をめざすため」だったとした。それから50年。日本の水稲除草剤は世界各国でも評価され売り上げを伸ばし、「日本の水田雑草防除は世界に誇れる体系を構築した」と述べた。
一方、今、注目されている研究は「雑草を生かし、人間と雑草が共存できるような新たな管理技術」だという。
従来の除草剤研究の方向性は、農作物への害をいかに少なくするかを主としていたが、今では水田とその周辺環境を含めた管理へと視点が変わってきている。水田周辺には実に2000種以上の雑草が存在しており、中には絶滅危惧種も数十種類あるという。「これからは、雑草の完全防除とともに雑草と共生するための研究が重要になるだろう」と展望を述べた。
(関連記事 日本雑草学会が50周年記念シンポジウム)