福林氏は、世界的な人口増加、バイオ燃料や飼料作物の需要拡大などに伴い、食料需要は今後も増加の一途を辿る一方、耕作可能な面積は限られているというなかで、「農産物の安心安全を図りながら生産性の向上をめざす必要があり、農薬の果たす役割はますます重要になってくる」と今後の見通しを述べた。
しかし、「消費者などには、農薬に対する悪いイメージを持っている人が多い」ため、そうしたイメージを変え、農薬の有用性や必要性を理解してもらうための活動を強化していきたいとしている。
農薬工業会では、25年の活動の重点課題として、[1]安全・広報活動の戦略化、[2]行政・関係機関との連携強化、[3]情報化関連事業の強化、[4]活動のグローバル化、[5]会員のプロダクトスチュワードシップ活動の推進支援、[6]コンプライアンス対応と内部統制の確立、の6点をあげている。
また、25年が工業会発足60周年にあたることから、「日本の農業、農薬業界の持続的な発展のため、過去の慣例の縛られず未来に目を向け新たな一歩を踏み出したい」との抱負を述べた。
福林氏は1947年大阪府生まれ。大阪大学法学部を卒業し住友化学工業(株)に入社。2004年同社執行役員。農薬工業会では11年から会長を務めている。
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