「これまで協同組合法など個別の法律に基づいた協同組合論はいくつもあったが、憲法に基づいた協同組合論を、しかも全世界の憲法を網羅的に取り上げて論じた著作は類を見ない」と、受賞した自著を紹介する堀越氏。
なぜ、憲法に基づいた協同組合論を取り上げたのか。
「憲法は、その国の社会、文化などがもっとも如実に表されている。憲法の中で協同組合がどう取り上げられているかを見れば、その国における協同組合の位置づけや協同組合に対する考え方がわかる」という。
著作は、世界98カ国と地域、ドイツ6州の憲法を取り上げ検証している。このうち、51カ国と地域、ドイツ6州の憲法が協同組合の保護や助成を明文化している。これらの国と地域は主に新興国や中南米諸国であり、日本、米国、イギリスなどの先進国は憲法で協同組合について触れていないのが大きな特徴だという。
堀越氏の同賞受賞は平成元年の『協同組合資本学説の研究』(日本経済評論社、1988年)に続いて2度目。昭和48年から続いているJA研究賞だが、過去に2度受賞したのは、昭和60年と平成9年に受賞した中川雄一郎氏(明治大学政経学部教授)に次いで2人目となった。
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